環境プラント大手のカナデビアが8月5日発表した2026年3月期第1四半期(4~6月)連結決算は、売上高が前年同期比3.2%増の1,254億4,100万円となった一方、営業損失は40億5,500万円(前年同期は8億7,800万円の損失)と赤字幅が拡大した。
■決算概要
売上高は前年同期を38億7,800万円上回る1,254億4,100万円(前年同期比3.2%増)となった。しかし、営業損失は40億5,500万円と前年同期の8億7,800万円から赤字幅が大幅に拡大。経常損失も47億3,100万円(前年同期は20億6,200万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は36億3,200万円(前年同期は28億1,300万円の損失)と、いずれも前年同期から悪化した。1株当たり四半期純損失は21円60銭(前年同期は16円70銭の損失)となった。
■経営成績等の概況
全部門において営業減益となったことが業績悪化の主因となった。環境部門では海外子会社の売上増加により増収となったものの、国内の高採算案件の減少等により営業赤字に転落。機械・インフラ部門はプレス事業の売却により減収となり、インフラの収益悪化等で営業損失が拡大した。受注高については、環境部門の減少により前年同期を下回る1,262億6,400万円となった。同社グループの事業特性上、連結会計年度末に売上高や営業利益が集中する傾向があることから、第1四半期の業績は例年低調となっている。
■セグメント別経営成績
環境事業: 売上高961億800万円(前年同期比9.3%増)、営業損失6億4,200万円(前年同期は6億5,700万円の利益)。海外子会社の売上増加で増収となったが、国内の高採算案件減少により営業赤字に転落した。
機械・インフラ事業: 売上高134億200万円(同18.3%減)、営業損失21億500万円(前年同期は12億4,400万円の損失)。プレス事業の売却により減収となり、インフラの収益悪化等で営業損失が拡大した。
脱炭素化事業: 売上高151億1,500万円(同9.4%減)、営業損失13億5,700万円(前年同期は4億5,200万円の損失)。プロセス機器の減少により減収となり、同事業の高採算案件減少等で営業損失が拡大した。
その他: 売上高8億1,400万円(同35.2%増)、営業利益6,200万円(前年同期は1億5,500万円の利益)。
■連結業績予想
2026年3月期通期の連結業績予想については、売上高6,200億円(前期比1.6%増)、営業利益270億円(同0.2%増)、経常利益230億円(同5.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益160億円(同27.6%減)、1株当たり当期純利益95円13銭で、前回公表値(5月12日発表)から変更はない。
同社では、第1四半期の業績は前年同期より悪化したものの、第2四半期以降の回復を見込んでいることから通期見通しを据え置いた。ただし、舶用エンジン事業およびその他事業における品質不適切行為による業績への影響は未定としており、影響が見込まれる場合には速やかに業績見通しに反映するとしている。
なお、同社は2023年度からスタートした中期経営計画「Forward 25」のもと、既存事業の持続的成長、成長事業の創出・拡大、持続可能な経営の推進を基本方針として、各種重点施策を推進している。
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