・HC事業は3.0%減の294億円、25年度予想1,136億円(2.2%減)は変えず
カヤバ(KYB)が8月8日に発表した2026年3月期第1四半期(25年4〜6月)連結業績によると、建設機械向け油圧機器は需要が伸び悩んだものの、自動車関連が比較的堅調に推移したことから売上高は 1,139億45百万円(以下、前年同期比4.8%増)となった。知多鋼業の完全子会社化に伴う負ののれん発生益を認識したこと等により、営業利益は133億74百万円(119.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は121億34百万円(210.6%増)となった。
第1四半期の世界経済は、米国の関税政策変更による不確実性の高まりや、世界的な貿易取引の停滞が懸念された一方で、日本やEUとの関税協議が合意に至るなど、様々な通商政策に直面。わが国経済は、賃金の伸びによる所得環境の改善による景気の下支えがあるものの、米国の関税政策による影響で、輸出の減少や設備投資にも弱い動きがみられ、景気の先行きには不透明感が増している。
■セグメント別の業績
(a) AC事業
同セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成。四輪車用油圧緩衝器は、国内および欧米でのOEM製品の販売増加等により、売上高は604億円と前年同期比10.7%増となった。二輪車用油圧緩衝器は、インド市場での需要減少があったものの、国内および中国での受注が好調だったことにより、売上高は116億円と前年同期比7.8%増となった。セグメント売上高は813億円と前年同期比9.2%増収となり、セグメント利益は46億円と前年同期比12億円の増益となった。
(b) HC事業
同セグメントは、産業用油圧機器、システム製品、その他製品から構成。建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、中国市場が需要低迷からの回復傾向が見られるものの、欧米での需要低迷もあり、売上高は273億円と前年同期比4.4%減となった。セグメント売上高は294億円と前年同期比3.0%減となったが、セグメント利益は9億円と前年同期比1億円の増益となった。
(c) 航空機器事業
同セグメントは、航空機器用油圧機器から構成。同セグメントは、販売製品の構成が変動したことに伴い、売上高は18億円と前年同期比89.8%増となり、セグメント利益は5億円と前年同期比5億円の増益となった。
(d) 特装車両事業及びその他
同セグメントは、特装車両等から構成。コンクリートミキサ車を主とする特装車両において、国内での販売が伸び悩んだこと、およびインドからの事業撤退により、セグメントの売上高は14億円と前年同期比53.0%減となり、セグメント利益は2億円と前年同期比1億円の減益となった。
■今後の見通し
2026年3月期(2025年度)の連結業績予想は以下のとおり前回予想(5月12日)を据え置いた。売上高4,400億円(前期比0.4%増)、セグメント利益150億円(24.3%減)、営業利益225億円(同0.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益175億円(17.5%増)。
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