AGCO、25年4〜6月期決算を発表、売上高18.8%減も通期見通しを上方修正

 農業機械大手のAGCO(本社:米国ジョージア州ダルース)は7月31日、2025年4〜6月期(第2四半期)決算を発表した。売上高は前年同期比18.8%減の26億ドルとなったが、通期の売上高および1株あたり利益(EPS)の見通しを上方修正した。

 第2四半期の純利益は1株あたり4.22ドル(調整後は1.35ドル)で、前年同期の純損失4.92ドル(調整後は2.53ドルの黒字)から大きく改善した。農業市場の不透明感が続く中でも、在庫削減を目的とした生産調整やコスト管理の徹底が奏功し、収益性とキャッシュフローの改善につながった。

 AGCOの会長兼社長兼CEOのエリック・ハンソティア氏は「農業経済の低迷や一部地域での購買決定の遅れといった逆風の中でも、当社はコントロール可能な分野で確実に成果を出した」と述べた。また、「精密農業やサステナブル技術への関心の高まりが、プレミアムブランドの需要を下支えしている」とした。

■地域別の動向と業績概要
• 北米:売上高は通貨の影響を除いて32.2%減。高馬力トラクタ、スプレーヤ、乾草関連機器の販売減が響いた。営業利益は5.3%の赤字。
• 南米:売上高は4.7%減だが、在庫圧縮と製品構成の改善により営業利益は前年比1,740万ドル増の増益。
• 欧州・中東:売上高は11.2%減。西欧での落ち込みが東欧やスカンジナビアの伸びで一部相殺された。高馬力機やコンバインの減少が目立つ。
• アジア・太平洋・アフリカ:売上高は5.9%減。オーストラリア、中国、日本での販売減少が影響した。

■市場動向と見通し

 農業市場は引き続き厳しい状況が続いている。2025年上期の北米における農業用トラクタ販売は前年同期比13%減、コンバインは33%減と大幅に減少。高馬力機械が特に影響を受けている。ブラジルでは小型トラクタの需要が底堅く、販売は6%増だったものの、大型機械への投資は慎重姿勢が続いている。西欧では12%の減少となり、スペインとイタリアを除くほぼすべての市場で落ち込みが見られた。

■通期見通しを上方修正

 AGCOは、2025年通期の売上高を従来予想より引き上げ、約98億ドルとした。調整後営業利益率は約7.5%、EPSは4.75〜5.00ドルを見込む。関税の影響も想定に織り込んでおり、今後の政策変更が業績に影響する可能性も指摘した。

■企業概要

 AGCO(NYSE: AGCO)は、Fendt®、Massey Ferguson®、PTx、Valtra®などのブランドを擁する、農業機械と精密農業技術の世界的リーダーである。1990年設立、2024年の売上高は約117億ドル。本社は米国ジョージア州ダルースに所在する。

※補足:調整後利益や為替影響を除く業績は、AGCOによる非GAAPベースでの開示資料に基づく。

 ニュースリリース

 第2四半期プレゼン資料