三菱電機、C-GIS需要増に対応し香川・丸亀に新工場棟を建設

・2026年10月稼働、洋上風力対応品の増産と環境対応型製品の開発も推進

 三菱電機(東京都千代田区)は8月7日、キュービクル形ガス絶縁開閉装置(C-GIS)の生産体制を強化するため、香川県丸亀市にある受配電システム製作所に新工場棟を建設すると発表した。新工場棟は2026年6月に竣工し、同年10月からの稼働を予定している。

 C-GISは、大容量電力を使用するデータセンターや変電所、駅、ビルなどで配電系統の開閉・保護・制御を行う高電圧向け配電盤で、国内外での需要が拡大している。特に、近年注目が高まる洋上風力発電向けの用途が成長を牽引しており、同社は今回の新棟建設により、2027年度までにC-GISの生産能力を従来比2倍に引き上げる方針だ。

 新工場棟では、これまで複数のエリアに分散していたC-GISの生産・試験ラインを集約し、部材受入から製造、出荷までの工程を一貫化。さらに、自動化設備を導入することで、絶縁ガスの充填作業時間を約40%削減し、生産効率を高める。延床面積は約6,885平方メートルで、建屋は鉄骨2階建て。総投資額は約28億円に上る。

 また、新工場では、環境負荷の高いSF₆(六フッ化硫黄)ガスに代わる自然系ガスを用いた「ドライエア絶縁方式」のC-GISも開発・製造する予定。欧州や北米を中心に進む脱SF₆規制に対応し、環境負荷の低減と市場ニーズへの適応を図る。

 加えて、省エネ・環境対策として、太陽光発電設備や高効率な照明・空調、熱交換式換気機器、断熱構造、Low-E複層ガラス、屋上緑化などを採用し、持続可能な製造拠点を目指す。

 三菱電機は今後もC-GISの生産拡充を通じて、国内外における安定した電力供給と環境負荷軽減の両立に貢献していく方針。

<新工場棟の概要>
• 所在地:香川県丸亀市蓬莱町8番地
• 建築面積:約6,299m²
• 延床面積:約6,885m²
• 構造:鉄骨造・2階建て
• 稼働開始:2026年10月予定
• 投資額:約28億円
• 主な生産品目:7.2~84kV C-GIS、洋上風力向けC-GIS
• 環境・省エネ対応:太陽光発電、LED照明、断熱構造、電力監視装置、屋上緑化など
• 将来展望:自然系ガス使用のドライエア絶縁方式C-GISの開発・生産強化

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