IHIは6日、連結子会社である新潟トランシス(新潟県北蒲原郡聖籠町、2024年度売上高約200億円))の全株式を、ジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が運営管理するファンドが設立したジェイ・ケイ・エフに譲渡することを発表した。これにより、IHIは新潟トランシスの鉄道車両・除雪機械事業から撤退する。株式譲渡日は2025年12月30日を予定している。
■譲渡の背景
新潟トランシスは、旅客車、ライトレール、鉄道用保守車両などの鉄道車両や除雪機械の設計・製造・保守を手掛けており、特に国内の保守車両や除雪機械市場では業界をリードする存在だ。 IHIは、同事業のさらなる成長に向けた戦略的オプションを検討してきた。
鉄道車両市場は海外での需要増が、除雪機械市場は北米や中国を中心に需要拡大が見込まれており、新潟トランシスにはこれらに対応する製品開発や海外市場への展開が必要とされていた。
■譲渡理由
IHIは、JWPが持つ中堅・中小企業の成長支援や事業承継に関する豊富な実績と知見を活用することで、新潟トランシスがより一層の競争力強化を図ることが最適であると判断した。JWPの経営支援のもと、新潟トランシスは国内市場での競争力強化に加え、成長が見込まれる海外市場へ展開し、事業の持続的な成長を目指す。
<譲渡の概要>
・譲渡株式数:20,000株(議決権保有割合100.0%)
・譲渡先:株式会社ジェイ・ケイ・エフ
・株式譲渡日:2025年12月30日(予定)
譲渡価額は非開示とされているが、公正なプロセスを経て企業価値に見合った額だと判断された。
■今後の見通し
IHIは、本件取引が通期連結業績予想に与える影響は軽微であるとしている。今後も、安定・持続的に成長できる事業ポートフォリオの構築と、成長領域への経営資源のシフトを進める方針。
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