・需要回復の兆しを受けて収益性のある成長に自信
Helios Technologies (ヘリオステクノロジーズ):2025年8月4日
米フロリダ州サラソタ—-モーションコントロールおよび電子制御技術における世界的リーダーであるHelios Technologies(NYSE: HLIO、以下「ヘリオス」)は、2025年6月28日を期末とする第2四半期決算を発表した。
第2四半期の売上高は2億1,200万ドルで、油圧製品の需要が予想を上回ったことで前四半期比9%(1,700万ドル)増加したものの、前年同期比では3%減(油圧部門:同3%減、電子部門:同4%減)となった。営業利益率はコスト管理の徹底と操業レバレッジの改善により前四半期比で1.6ポイント上昇、粗利益率も関税の逆風を受けつつ1.2ポイント改善した。
純利益は1株当たり0.34ドル(調整後:0.59ドル)となり、営業活動によるキャッシュフローは3,700万ドルに達した。これは2019年第4四半期以来の最高水準で、同社の四半期としては過去2番目の実績。負債は8四半期連続で減少し、前年同期比で6,700万ドル(13%)削減された。純負債対調整後EBITDA倍率は前年の3.0倍から2.6倍へと改善した。
資本政策面では、1株あたり平均32ドルで20万株を買い戻す新たな自社株買いプログラムを実施。1997年の上場以来、114四半期連続となる四半期配当(1株当たり0.09ドル)も継続して支払っている。
また、ポートフォリオの見直しとして、オーストラリアの油圧ソリューション事業子会社Custom Fluidpower(CFP)の売却(約8,300万豪ドル)を発表。今後はブランド戦略やエンジニアリング資産を製品ポートフォリオに合わせて再構築するなど、組織改革にも着手している。
■CEOコメント:「変革を進めながら収益基盤を強化」
社長兼CEO兼CFOのショーン・バガン氏は「チームは営業レバレッジの強化、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善、負債削減に注力し、需要回復の好機を捉えるための準備を整えてきた。キャッシュ創出力がほぼ過去最高となり、財務基盤と株主還元の両面で成果を上げている」と述べた。
さらに、「市場は依然として完全な回復には至っていないが、事業の簡素化、ブランド集中、製品ポートフォリオの強化など将来に向けた変革が進行中だ」と強調した。
■2025年4~6月期業績概要(連結ベース)
• 売上高:前年同期比3%減。地域別ではアメリカが7%減、アジア太平洋が2%減。一方、EMEA(欧州・中東・アフリカ)は5%増。前四半期比ではEMEAが24%増、アジア太平洋12%増、アメリカ1%増。為替効果で売上高は150万ドル押し上げられた。
• 粗利益:3.1百万ドル減(4%減)で、粗利益率は30bps(0.3ポイント)低下。販売数量の減少と原材料費の上昇が影響。ただし、前四半期比では粗利益13%増、粗利益率1.2ポイント改善。
• 販管費(SEA):前年同期比で60万ドル(2%)増。主に電子部門の人事刷新に伴う人件費・福利厚生費の増加が要因。前四半期比では260万ドル(7%)増加。
• 無形資産償却費:830万ドル(前年同期比5%増)。Helios Center for Engineering Excellence(HCEE)の再編による加速償却が主因。
• 純利益・EPS:純利益は前年同期比220万ドル減、1株当たりは0.07ドル減の0.34ドル(17%減)。非GAAPベースでは0.05ドル減の0.59ドル(8%減)。
• 調整後EBITDAマージン:18.6%で、前年同期比1.5ポイント低下。
■セグメント別業績
<油圧部門>
• 売上高:前年同期比3%減。地域別ではアメリカが9%減、アジア太平洋6%減、EMEAは8%増。産業・モバイル市場が低調。農業市場は横ばい。
• 粗利益・利益率:材料費・労務費の低下により粗利益が160万ドル増、粗利益率は2.2ポイント改善。
• 営業利益・営業利益率:営業利益は5%増、利益率は1.3ポイント改善。販管費は50万ドル増、R&D投資も10万ドル増加。
<電子部門>
• 売上高:前年同期比4%減。地域別ではアメリカ7%減、EMEA6%減、アジア太平洋27%増。産業市場はやや増加、レクリエーション市場は減少、モバイル市場は横ばい。
• 粗利益・利益率:売上減、原材料費・運賃・関税(240万ドル)の増加により粗利益は470万ドル減、粗利益率は5.3ポイント低下(関税影響を除いても1.95ポイント低下)。
• 営業利益・営業利益率:営業利益は440万ドル減。HCEE再編による償却増が影響。販管費は2%減。
■財務・資本構成の強化
• 営業キャッシュフロー:3,700万ドル(前年同期比10%増)、2019年第4四半期以来の最高水準。
• 負債削減:総負債は前年同期の5億270万ドルから4億3,620万ドルへと13%減少。
• 現金・現金同等物:5,300万ドル(前年同期比20%増)。
• 運転資本:キャッシュ・コンバージョン・サイクルは2022年上期以来で最短。棚卸資産は前年度比4%増、販売増加を見越して準備。
• ネットD/E比:2.6倍(前年は3.0倍)。リボルビングクレジット枠は3億5,860万ドル利用可能。
• 設備投資:540万ドル(売上比2.5%、前年は810万ドル=3.7%)。
• 自社株買い:20万株を平均32.29ドルで買戻し、総額650万ドル。
• 配当:114四半期連続で配当を実施。
■2025年通期見通しと第3四半期見通しを上方修正
バガン氏は「上期業績は想定を上回り、第3四半期についても高い確度を持っている。CFP売却を加味しても通期で前年を上回る成長が見込める。受注残は7カ月連続で増加し、一部市場では安定の兆しがある。関税の影響は依然残るが、緩和策を実行中であり、今後も柔軟に対応していく」と語った。
■Helios Technologiesについて
Helios Technologiesは、建設、物流、農業、エネルギー、レクリエーション車両、船舶、ヘルスケアなど多様な市場向けに、高度なモーションコントロールおよび電子制御技術を提供する世界的企業。90カ国以上で事業を展開し、ニッチ市場におけるリーダーを目指して製品開発とM&Aを推進。1997年の上場以来、四半期ごとの現金配当を継続している。
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