米ヘリオス、豪州の油圧サービス子会社をクエスタスに売却、販売提携も継続

 Helios Technologies(ヘリオステクノロジーズ):2025年8月4日

モーションコントロールおよび電子制御技術のグローバル企業である米ヘリオステクノロジーズ(NYSE: HLIO)は8月4日、オーストラリア拠点の油圧ソリューショおよびサービス事業を展開する子会社カスタム・フルードパワー(CFP:Custom Fluidpower)を、豪クエスタスグループ(Questas Group)に売却する正式契約を締結したと発表した。売却金額は約8,300万豪ドル(約5,400万米ドル、約80億円)で、現金による取引。最終的な運転資本などに応じた調整が行われる予定。

 ヘリオスが2018年8月にCFPを取得した際の金額と比べ、今回の売却額は約4,800万豪ドルの上乗せとなる。また、売却後もクエスタスとの間で長期の独占販売契約を締結する計画で、CFPの広範な販売・サービス網を通じ、同社の主力ブランドであるSun Hydraulicsの豪州市場における戦略的地位を引き続き確保する。

 ヘリオスの社長兼CEO、CFOを務めるショーン・バガン氏は、「CFPの売却は、当社の事業ポートフォリオ見直しの一環であり、投資資本利益率の改善を重視した財務戦略の一部である」と説明。CFPの売上は買収後の6年間で毎年成長を続け、2024年には9,200万豪ドル(約6,100万米ドル)を記録。利益は2倍以上に拡大したという。

 一方でバガン氏は、CFPが流体動力の流通・サービスに特化したビジネスモデルを持つことから、同社の付加価値型流通事業の顧客基盤との親和性が高いとし、今後も重要な顧客として関係を継続するとしている。また、「売却により一時的に売上・利益は減少するが、油圧部門および全体の利益率は改善される」と述べた。

 クエスタスグループのマーク・テイラーCEOは、「CFPの加入により、当社の技術力とサービス能力が大きく向上する。CFPが持つシステム設計、マニホールド、カートリッジバルブ、油圧リリースブレーキといった専門性は、これまで外部に依存していた分野であり、今後の競争力強化につながる」と歓迎の意を示した。

 今回の売却により、ヘリオスはAPAC地域における製造機能に注力しつつ、CFPを販売パートナーとして引き続き豪州市場での展開を図る。バガン氏は「地域密着型の成長戦略の一環として、CFPとクエスタスの連携が新たな成長機会を生み出し、顧客への提供価値をさらに高めると確信している」と述べている。

 売却に伴う収益は、ヘリオスの資本政策に沿って、負債の返済や自社事業への投資、株主還元などに充当される予定。CFPは第2四半期の連結決算から「売却予定資産」として扱われ、取引完了は今後60〜90日以内を見込む。なお、同取引の法務アドバイザーはスコイヤ・パットン・ボッグスが務めている。

■クエスタスグループ(Questas Group)
本社:オーストラリア・シドニー
従業員数:約850人、国内37拠点
事業内容:油圧、ポンプ、エンジンソリューションの提供。鉱業、建設、農業、エネルギー、一般産業分野で30年以上の実績。
URL: https://www.questas.com.au

■ヘリオステクノロジーズ(Helios Technologies)
本社:米国フロリダ州サラソタ
上場市場:NYSE(ティッカー:HLIO)
事業内容:建設機械、マテリアルハンドリング、農業、エネルギー、マリン、医療・ウェルネスなど多様な分野向けに、モーションコントロールや電子制御技術を提供。90か国以上に販売網を展開。1997年の上場以来、四半期ごとに配当を実施。
URL: https://www.heliostechnologies.com

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