・ロングテール市場のロボット導入促進へ、業界横断のエコシステム構築
川崎重工業、NTTビジネスソリューションズ、ダイヘン、FingerVision、安川電機、ヤマハ発動機、ugoの7社は8月5日、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ロボティクス分野におけるソフトウェア開発基盤構築」に提案した「SI効率化と多彩なロボットシステムの創出を実現する共創基盤開発」が採択されたと発表した。研究開発期間は2025〜2027年度を予定している。
本事業は、ロボット未活用領域(ロングテール市場)への導入を推進するため、特定メーカーに依存せず多様なロボットや適用先に対応可能な「共創基盤」の構築と、ステークホルダーが集う「エコシステム」の形成を目指すもので、業種・分野を超えた共創体制が特長となる。
背景には、少子高齢化による労働力不足という国内の深刻な課題がある。一方で、ロボットの導入にはコストや技術的なハードルが高く、特に中小規模の現場では活用が進みにくいのが実情だ。これに対し7社は、各社の技術や経験を結集し、導入のハードルを下げる共創型の仕組みを構築することで、ロングテール市場での普及を図る。
■事業の主なポイント
〈1〉共創基盤の構築
メーカーやロボットの機種・用途に依存せず、共通で使えるインタフェースを整備。ツールやアプリの活用による遠隔対応や、信頼性・コスト・効率性の高いシステム統合を可能にし、SI(システムインテグレーション)効率を大幅に向上させる。
〈2〉エコシステムの形成
情報連携や分業体制のルール整備により、ロボット業界全体の共創環境を構築。特に、ロボットアプリ開発者など新たなプレーヤーが参入しやすい仕組みを整える。
〈3〉モデルユースケースの実証
共創基盤を活用し、実際の製造・サービス現場での導入効果を検証。想定されるユースケースには、工作機械製造現場における多品種少量生産対応、ピック&プレース自動化、食品工場における柔軟物(弁当の盛付など)の取扱い自動化が含まれる。
本プロジェクトは、共創基盤とエコシステムを通じて、国内外のロボットメーカーやシステムインテグレーター、アプリ開発者に新たな価値を提供し、ロボット業界全体の活性化と社会課題の解決を目指す。労働人口減少という構造的課題に直面する中、現場の多様なニーズに応えるロボット導入の新たな道を切り開く取り組みとして注目される。
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