住友重機械工業が8月5日に発表した2025年12月期第2四半期(4〜6月)の連結決算によると、受注高は前年同期比18.0%増の5,355億円と好調だったが、受注残の少なさなどから売上高は同4.9%減の4,946億円にとどまった。営業利益は同35.2%減の217億円、経常利益は同39.7%減の202億円、親会社株主に帰属する中間純利益は同47.4%減の124億円と大幅減益となった。
同社グループを取り巻く経営環境については、国内では設備投資や輸出が緩やかに回復する一方で、半導体市況は足踏みが続いた。米国では景気は底堅いが通商政策の不透明感が残り、欧州では持ち直しの兆しが見られた。中国は内需刺激策の効果が限定的で、景気の停滞が続いた。
こうした環境下、同社は中期経営計画「中計2026」に沿って、収益力強化や新事業の開拓、環境対応の推進に取り組み、持続的な企業価値向上を図った。
■セグメント別の業績概要
<メカトロニクス>
減・変速機やモータ、インバータの需要が国内外で回復し、半導体関連の需要も中国を中心に堅調だった。これにより受注高は1,328億円(前年同期比9%増)、売上高は1,294億円(同3%増)、営業利益は86億円(同30%増)と増収増益を確保した。
<インダストリアル マシナリー>
プラスチック加工機械は中国の電気電子向けで需要が拡大し、受注・売上ともに増加。ただし欧州では採算悪化が響き、営業利益は減少した。半導体関連の受注残が少なかった影響で、全体では売上・利益とも減少し、営業損失30億円を計上した。受注高は1,146億円(同11%増)、売上高は982億円(同7%減)。
<ロジスティックス&コンストラクション>
油圧ショベルの受注は国内・北米で回復したが、前期受注の少なさが影響し売上・利益は減少。建設用クレーンは受注が横ばいながらも受注残消化で増収増益。運搬機械も受注・売上は伸びたが、高採算案件が減少し利益は縮小した。結果として、受注高は1,936億円(同16%増)、売上高は1,754億円(同11%減)、営業利益は79億円(同56%減)となった。
<エネルギー&ライフライン>
欧州でバイオマス発電設備を受注し受注高は増加。売上は減少したものの、プロジェクト採算の改善で営業利益は増加した。
<その他>
水処理装置などの受注が増え、受注残の消化も進み、受注高は911億円(同58%増)、売上高は883億円(同1%減)、営業利益は70億円(同98%増)と利益が大きく伸長した。
■2025年12月期 通期業績予想(修正後)
同社は2025年2月発表の通期連結業績予想を下方修正した。修正後の予想は以下の通り。
売上高:1兆500億円(前期比2.0%減)、営業利益:500億円(同9.3%減)、経常利益:440億円(同10.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益:250億円(同223.8%増)。なお、純利益の大幅増は前年同期に計上された一時費用の影響がなくなることによるものとみられる。
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