オークマ、25年4〜6月売上は1.5%減の446億円、25年度予想2,300億円(11.2%増)は変えず

 オークマは8月5日、2026年3月期第1四半期(2025年4〜6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1.5%減の446億円、営業利益は47.8%減の16億円、経常利益は40.4%減の21億円、純利益は42.2%減の14億円となった。受注高は541億円(12.2%増)と好調だったが、利益面では苦戦した。

 同社によれば、米国の関税政策の不確実性や地政学的リスクの高まり、インフレの継続など、世界経済は依然として不透明感が強く、特に中堅・中小企業では設備投資に慎重な姿勢が続いた。一方で、航空宇宙やエネルギー、防衛分野など大手企業からの需要は底堅く、受注の支えとなった。

 オークマグループは「中期経営計画2025」に基づき、高精度・高効率かつエネルギー消費量の削減を実現する「Green-Smart Machine」の展開を加速。自動化・DXソリューションとともに、社会課題の解決と企業価値の向上を目指す取り組みを継続した。受注拡大と収益力改善、資本効率の向上に注力している。

 地域別では、日本では航空機や造船、防衛関連などを中心に設備投資再開の動きが見られたものの、中小規模事業者では慎重姿勢が強かった。米国では大手企業の需要は堅調だったが、関税政策の影響もあり中小企業では投資抑制が継続。欧州は景気の先行き不透明感から需要は弱含み、中国では産業政策の支援やEVメーカー向け大型案件の受注により堅調だった。インドを中心とするアジア市場も底堅く推移した。

 利益面では、部材や輸送コストの高止まり、人的資本投資の強化が重荷となった。こうしたコスト増に対しては生産効率向上や内製化拡大により吸収を図ったが、工場操業度の回復遅れや受注機の納期長期化による売上計上の遅延が利益を圧迫した。

 2026年3月期の通期業績予想は、売上高2,300億円(前期比11.2%増)、営業利益220億円(同50.2%増)、経常利益225億円(同44.9%増)、純利益150億円(同56.4%増)とする従来見通しを据え置いた。下期にかけては、航空宇宙や半導体製造装置関連など成長分野での需要回復を見込んでいる。

 オークマの2026年3月期第1四半期決算短信
 決算説明資料