Metso (メッツォ):2025年7月31日
メッツォ(Metso)は、オーストラリア西部の大規模な金鉱山から、同社の高圧ロール圧砕(HPGR)技術を活用した可搬型クラッシング&グラインディング回路の受注を獲得したと発表した。この「プラグ&プレイ」方式のソリューションは、豪州で初めて導入される可搬型HPGRシステムとなる。契約金額は非公表だが、受注は2025年第3四半期の鉱物処理事業の実績に計上されている。
今回の導入により、既存設備と連携しながら品位の高い在庫鉱石量を増加させ、ミル(粉砕機)の稼働信頼性を高め、回収率の向上を図る。処理は、既存のHPGRクローズド回路からオーバーサイズ(過大粒)部分を分流し、さらに細かく破砕・ストックする仕組み。これにより循環荷重の低減、再ハンドリング工程の削減、および処理能力の向上が期待されるという。
同社アジア太平洋地域鉱物営業担当副社長のカイ・ロンベルグ氏は「このエネルギー効率に優れた可搬型システムは、設置コストを抑えつつ、12か月以内に稼働可能な点も魅力だ」とコメントしている。
■高効率・低排出の可搬型回路を提供
導入されるソリューションは、以下の主要機器で構成される:
• 可搬型HPGRユニット「NW800HRC™」:フランジ付き・スタッド付きロール仕様
• 可搬型コーンクラッシャー「Nordwheeler™ NW200HPS」
• スキッドマウント型メッツォ製スクリーン
• メッツォ製可搬コンベヤによる連結搬送システム
このうちNW800HRC™は、エネルギー効率と資源効率の高さ、排出量の低さから、Metso Plusの環境対応製品群に位置づけられている。
同社HPGR&乾式粉砕担当副社長のビョルン・ニールセン氏は「可搬型HPGRの導入実績を持つOEMはメッツォだけであり、HRCTM 800のような装置は、骨材や硬岩鉱石といった**厳しい条件下での運用を前提に設計されている」と説明。「フランジ付きロール技術により、優れた粉砕効率と低循環荷重を実現でき、顧客の技術要件にぴったりのソリューションを提供できた」と語った。
また、急成長する金鉱業界において、短納期・迅速な立ち上げが可能な可搬型HPGRの実装は大きな前進と位置づけられている。
■Metso (メッツォ)について
メッツォは、骨材、鉱物処理、金属精錬業界向けに、持続可能な技術やエンドツーエンドのソリューション、サービスを提供するグローバルリーダーである。顧客のエネルギー・水使用効率の向上、生産性の向上、環境リスクの低減を支援している。
本社はフィンランド・エスポーにあり、2024年末時点で全世界約50か国に約17,000人の従業員を擁し、売上高は約49億ユーロに達した。メッツォはナスダック・ヘルシンキに上場している。
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