国内初、大型ガントリークレーンの遠隔操作に挑戦 — 横浜港で実証実験開始

・港湾労働の省力化・安全性向上へ、JFEエンジと横浜川崎国際港湾が共同推進

 横浜川崎国際港湾(横浜市西区)とJFEエンジニアリング(東京都千代田区)は7月31日、横浜港・南本牧ふ頭において、大型ガントリークレーンの遠隔操作に関する国内初の実証実験を開始したと発表した。少子高齢化が進む中、港湾労働の省力化と安全性向上を目指した先進技術の導入に向けた取り組みとなる。

 実証が行われるのは、国内最大級の24列・9段積コンテナ船に対応可能なガントリークレーン(JFEエンジニアリング製)。従来、操縦者は地上から数十メートルの高さにある機上操作室で長時間の作業に従事してきたが、その移動や前傾姿勢での操作による身体的負担が大きく、近年は人材確保の課題となっていた。

 今回の実証では、クレーンの動作に関わるカメラやセンサー類を活用し、地上や船上の作業員、ならびに船上コンテナの状態をリアルタイムで把握。これらのデータを活かし、ターミナル内の地上操作室からの遠隔操作を目指す。検証結果は、今後の技術開発や実運用に向けた重要な足掛かりとなる。

 この取り組みは、JFEエンジニアリングが2023年度に国土交通省の「港湾技術開発制度」に採択されて推進している技術開発の一環であり、今回の実証は特に「大型機対応」に特化した補完的検証を担う。今後、実証成果をもとに、遠隔操作の実現とともにコンテナターミナル全体の高度化や国際競争力の強化を図る方針。

 両社は、港湾業務の現場負担を軽減しつつ、高度な物流インフラの整備を推進することで、持続可能な港湾運営体制の構築を目指す。

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