ユナイテッド・トラクターズ、2025年上期の純利益は8.1兆ルピア

・建設機械が好調も、鉱山請負と石炭価格下落が影響し15%減益に

 PT United Tractors Tbk (PTユナイテッド・トラクターズ):2025年7月30日

 ジャカルタ=インドネシアの総合重機・鉱業サービス企業、PTユナイテッド・トラクターズ(United Tractors Tbk)は30日、2025年上期(1~6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比6%増の68.5兆ルピアとなったが、純利益は同15%減の8.1兆ルピアにとどまった。
(1ルピアは、0.009円)

■売上高の内訳は以下の通り。
• 鉱山請負事業:26.1兆ルピア(前年同期比7%減)
• 建設機械事業:20.9兆ルピア(同34%増)
• 石炭(一般炭・原料炭)採掘事業:13.4兆ルピア(同14%減)
• 金およびその他鉱物の採掘事業:7.0兆ルピア(同60%増)

 減益の主因は、例年を大きく上回る降雨によって鉱山請負業務が減速したことと、石炭価格の下落による収益性の悪化。一方、建設機械および金・その他鉱物事業が補完する形で全体の落ち込みを一部相殺した。

■建設機械部門:コマツ販売が27%増、シェア26%を維持

 建設機械部門では、コマツブランドの販売台数が2,728台(前年同期比27%増)と大きく伸長。社内調査によると、市場シェアは26%で引き続き首位を堅持した。

 他にも、スカニアは182台→282台、UDトラックスは82台→109台に増加。補修部品・メンテナンスサービスの売上も6%増の5.5兆ルピアとなった。これらにより、建設機械部門全体の売上は34%増の20.9兆ルピアに達した。

■鉱山請負部門:降雨影響で稼働低下

 PTパマパーサダ・ヌサンタラ(PAMA)とその子会社PTカリマンタン・プリマ・プルサダ(KPP Mining)が担う鉱山請負部門では、剥土量が9%減の5億3,300万㎥、顧客向け石炭生産量も2%減の6,800万トンとなった。ストリッピング比率は7.8倍で、上期の異常気象が稼働に大きく影響した。

■石炭採掘部門:販売量は増加も、価格下落で収益減

 石炭採掘事業は、PTトゥア・トゥランガ・アグン(Turangga Resources)が運営。2025年上期の自社石炭販売量は660万トン(うち原料炭210万トン)で前年同期比10%増。第三者石炭を含む全体販売量は780万トン(同3%増)だった。

 しかし、石炭価格の下落により、売上高は14%減の13.4兆ルピアとなった。

■金およびその他鉱物部門:販売増と価格上昇で60%増収

 金およびその他鉱物採掘部門では、売上が前年同期比60%増の7.0兆ルピアとなった。金販売量と価格の上昇が寄与した。

 PTアギンコート・リソーシズ(PTAR)が運営するスマトラ島南タパヌリ県のマルタベ金鉱山では、金換算販売量が119,000オンス(同8%増)。また、西ヌサトゥンガラ州スンバワ島のPTスンバワ・ジュタラヤ(SJR)では6,000オンスを販売し、グループ全体で125,000オンス(同14%増)となった。

■ニッケル事業:販売は順調も、減損の影響受ける

 東南スラウェシ州で操業するPTスタ―ゲート・パシフィック・リソーシズ(SPR)は、ニッケル鉱石を110万湿重量トン(saprolite 36万t、limonite 72.7万t)販売。一方、20.14%出資するNickel Industries Limited(NIC)は、旧式RKEFプラント2基の減損を2024年末に計上した影響で、当上期業績にもマイナス要因となった。

■再生可能エネルギー投資も拡大

 2025年6月には、地熱発電事業を手掛けるSupreme Energy Sriwijaya(SES)の追加株式30.6%を約3,080万米ドルで取得。持株比率は80.2%に拡大し、間接出資先の地熱発電事業会社Supreme Energy Rantau Dedap(SERD)への影響力も強化された(SERD持分:40.4%)。

 ニュースリリース
 2025年上期レポート