ダンフォス、ロードローラー向けに高効率カムロータリモーター「Thorx CLM 5 C」を発売

・92%の総合効率と滑らかな低速回転で、道路仕上げ性能を大幅向上

 Danfoss(ダンフォス):2025年7月29日

 ダンフォスパワーソリューションズ (Danfoss Power Solutions)は7月29日、ロードローラーなどの締固め機械向けに開発した新型カムロータリモーター「Thorx CLM 5 C」を発表した。ドラム駆動用に最適化された同モーターは、同社の「Thorx」シリーズに新たに加わる製品で、既存のスキッドステアローダー向け「Sモーター」、コンパクトトラックローダー向け「Tモーター」とともにラインアップを拡充する。

 新開発の「CLM 5 C」は、総合効率92%という高性能を実現。独自のベアリング構造により油漏れを防止し、滑らかな低速回転による路面仕上げの品質向上、さらには耐久性の向上とメンテナンス頻度の低減を同時に実現している。

■安定した低速回転で滑らかな舗装、油漏れも解消

 CLM 5 C最大の特徴は、堅牢な円すいころ軸受(テーパーローラーベアリング)を2基採用し、シャフトのたわみを防ぐことで、シャフトシール部からの油漏れリスクを根本から排除した点にある。一般的なボールベアリングを用いた同種モーターと比較して、より高荷重に耐える設計で、長寿命化を実現している。

 また、CLM 5 Cでは12個のピストンと9つのカムローブから成る回転ユニットを搭載。ピストンにかかる圧力が常に一定となることで、低速回転時の回転ムラ(スピードリップル)を最大90%低減。道路表面の滑らかさが格段に向上し、仕上げ品質の改善にも寄与する。

■高効率・長寿命設計、優れた制動性能も

 総合効率は92%と非常に高く、発熱が抑制されることでシールやベアリングなど構成部品の寿命が延びる点も特長だ。

 ブレーキ機構も一新されており、モーター中央部に統合された強力な多板式パーキングブレーキを標準装備。従来型に多いドッグクラッチ式と異なり、ジャミング(噛み込み)のリスクを排除し、車両寿命を通じて安全かつ確実な緊急制動を何度でも行える設計となっている。牽引時には内蔵ツールを使って機械的にブレーキを解除でき、整備性にも配慮されている。

■他社製品と互換性あり、最大排気量は545cc

 CLM 5 Cモーターは、既存のドラム駆動用カムロータリモーターとほぼ同等の寸法・形状で設計されており、代替品としても容易に導入可能。中空シャフトを採用し、スルードライブ(通し軸)仕様にも対応できる。

 最大排気量は545ccで、3.5トンクラスまでの締固め機械に最適。

■あらゆるドラム駆動ニーズに対応するラインアップを構築

 Danfoss Power Solutionsでカムロータリモーター部門を率いるクリス・シュライヴ氏は、「我々の目標は、機械の大きさに関係なく油漏れのない堅牢なカムロータリモーターを設計することでした。Thorx CLM 5 Cによってその目標を達成し、さらに効率と路面仕上げ品質も向上させることができた」と述べた。

 同社は現在、アキシャルピストンモーター、オービタルモーターを含め、幅広いドラム駆動用途に対応できる製品ポートフォリオを構築している。

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