伊コマー・インダストリーズ、ナブテスコの油圧機器事業を買収、グローバル展開と技術基盤を強化

 Comer Industries(コマー・インダストリーズ):2025年7月31日

 イタリアの機械工学大手コマー・インダストリーズ(Comer Industries)は、日本のナブテスコ株式会社の油圧機器事業の70%を取得することで拘束力のある契約を締結したと発表した。ナブテスコは東京証券取引所上場のエンジニアリング企業で、今回の買収は、コマーの成長戦略における新たな節目となる。

 ナブテスコの油圧機器部門は、建設機械、農業機械、鉱山機械、道路機械、船舶、特殊車両向けに、モーター、制御バルブ、ピストンポンプなど多様な製品を展開しており、世界で約800人の従業員を擁する。2025年のプロフォーマ売上高は約2億7,200万ユーロ(約436億円)にのぼる見通し。

 コマーにとって、今回の買収には明確な産業的意義がある。機械・電気技術分野でのグローバルな地位を確立した同社は、自社保有の油圧技術ポートフォリオをさらに強化し、日本、中国、タイの4工場を通じて国際的な生産体制を一段と拡充する。

 「異なる文化同士の融合によって実現した今回の買収は、国際産業界においても極めてユニークな取り組みです」と同社は述べ、グローバルな機械工学分野において国際性・先進性を兼ね備えたリーダーとしての地位が一層強化されると強調した。

 また、同社は厳しい国際環境下でも、グループ、従業員、顧客、ステークホルダーに持続的な価値をもたらす投資を継続するという長期的なビジョンと、経営陣・株主の強い意思を改めて示した。

 なお、コマーは2025年上半期(1〜6月)において、売上高は前年同期比15.8%減の4億4,720万ユーロ(約760億円、170円換算)、EBITDAは7,180万ユーロ(前年同期は9,020万ユーロ)となった。農業市場の低迷が全体の業績に影響を与えているものの、第1四半期と比較して収益性やシェアは改善傾向にある。今後も明確な成長戦略のもとで投資を継続し、長期的な展望を維持する方針だとしている。

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