日鉄パイプライン&エンジニアリング、液化CO₂高流速輸送の技術検証設備を受注

・NEDO事業の一環として苫小牧に建設へ

 日鉄パイプライン&エンジニアリング(東京都品川区)は7月28日、日本CCS調査(JCCS)から「液化CO₂高流速液送技術検証設備建設工事」を受注したと発表した。受注内容は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「苫小牧におけるCCUS大規模実証試験」の一環として行われるもので、北海道・苫小牧に液化CO₂輸送のための技術検証設備を新設する。

 この工事では、低温低圧下において液化CO₂の配管内流速を高めた際に発生する課題の抽出と、安全性の検証を目的としており、貯蔵容量400トンの液化CO₂タンクを含む試験設備の建設が計画されている。

 同社はこれまで、液化CO₂の大量輸送に向けた技術開発に注力しており、1万トン超級の大型液化CO₂タンクの建造を視野に入れた検討も進めてきた。今回の検証設備にも、日本製鉄が開発した低温用鋼材「N-TUF®490」の採用を予定しており、将来的な大容量タンクの建設技術につなげる考え。

 なお、同社は2025年10月1日付で、プラント事業を日鉄エンジニアリング(本社同)へ会社分割により承継する予定であり、今回の受注案件もその対象事業に含まれる。

 日鉄エンジニアリンググループは、長年培ってきたエネルギープラントの設計・建設技術を活かし、液化CO₂の高速・大量輸送をはじめとするカーボンニュートラル社会実現に向けたCCUS(CO₂回収・利用・貯留)関連技術の確立を進める方針。

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