三菱重工、米Modius社と提携、AI活用でデータセンター運用を最適化

 三菱重工業は7月29日、米Modius(モディアス)社と、データセンターの効率的な運用を支援するDCIM(データセンターインフラ管理)ソリューションの提供に関する契約を締結したと発表した。両社はAI技術を活用した統合ソリューションを通じて、データセンターの可視性向上やエネルギー効率の改善に取り組む。

 三菱重工は、発電・配電・冷却・制御といった既存のインフラ提供力に、Modius社のDCIMプラットフォーム「OpenData®」を加えることで、運用最適化を支援するワンストップソリューションを展開する。今回の提携は、同社グループが推進するグローバルなパートナーシップ戦略の一環となる。

 Modius社の「OpenData® DCIMプラットフォーム」は、世界250カ所以上での導入実績を持ち、データセンターの設備稼働率向上やエネルギー使用の最適化を可能にする。中でも「OpenData® AI/MLモジュール」は、AIによる異常検知やリアルタイム監視機能を備えており、ダウンタイムの最小化と効率的な運用を実現する。

 三菱重工の五味慎一郎 データセンター&エネルギーマネジメント部長は、「当社の強みである発電・冷却システムとModius社のDCIMを組み合わせることで、次世代データセンターの包括的な監視・運営・最適化をお客様に提供できる」とコメントした。

 Modius社のCraig Compiano社長は、「三菱重工の世界的な存在感と、当社の高効率なデータセンター構築の目標は高い親和性を持つ。両社の技術を融合し、グローバル市場で展開できることを光栄に思う」と述べた。

 三菱重工グループは、脱炭素発電や高効率冷却システム、信頼性の高い電力供給、そして統合的なデジタルサービスを組み合わせ、持続可能なデータセンターの構築を支援していく方針だ。

【用語解説】
• DCIM(Data Center Infrastructure Management):データセンターの設備・機器情報を統合的に管理し、運用効率の向上を支援するシステム。
• OpenData® AI/MLモジュール:AIおよび機械学習(ML)技術を活用し、データセンター内の異常検知や予測分析を行うソフトウェアモジュール。

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