・地産天然ガスとクリーン電力でCO₂排出を抑制
エア・ウォーターグループのエア・ウォーター・グリーンデザイン(東京都港区)は、K&Oエナジーグループ傘下で千葉県産天然ガスの開発・生産を手がける関東天然瓦斯開発(千葉県茂原市)と合弁会社「エア・ウォーターK&O株式会社」を設立し、千葉県茂原市に低炭素水素の製造拠点を新設すると発表した。2027年5月の操業開始を予定している。
新拠点では、関東天然瓦斯開発が供給する環境負荷の小さい千葉県産天然ガスを原料とし、世界最高水準の発生効率を持つ天然ガス改質型水素発生装置「VHR」(製造能力720Nm³/h)を導入。また、CO₂回収装置(同200Nm³/h)を組み合わせることで、製造工程で発生するCO₂を効率的に回収・再利用する。
電力には非化石証書を活用したクリーン電力を用い、水素1kgあたりのCO₂排出量を3.4kg以下に抑えた低炭素水素の製造を実現。エレクトロニクス分野などの既存用途に加え、水素エネルギー社会の進展に伴い拡大が見込まれる需要にも対応し、水素利用者のSCOPE3排出量削減にも寄与する。
さらに、回収したCO₂はドライアイスの原料として活用。ひっ迫が続く炭酸ガス・ドライアイス市場において、安定供給にも貢献する方針。
本拠点は、エア・ウォーターグループとして関東地区で3カ所目、全国では11カ所目となる圧縮水素製造拠点であり、同グループはこのほかにも国内14カ所のオンサイト水素ガス供給拠点を展開している。
エア・ウォーターとK&Oエナジーグループは、それぞれの強みである水素製造・CO₂回収技術と、環境負荷が低く長期安定供給可能な国産天然ガスを組み合わせることでシナジーを最大限に発揮し、次世代エネルギーとしての低炭素水素事業を加速。脱炭素社会の実現に貢献していくとしている。
<合弁会社概要>
• 商号:Air Water K&O株式会社
• 設立:2025年5月30日
• 代表者:代表取締役社長 鮎田 拓夫(現Air Water Green Design株式会社 水素事業部長)
• 本社所在地:千葉県茂原市茂原661番地
• 資本金:50百万円
• 出資比率:
– Air Water Green Design株式会社:70%
– 関東天然瓦斯開発株式会社(K&Oエナジーグループ株式会社 100%子会社):30%
<低炭素水素製造拠点概要>
• 所在地:千葉県茂原市茂原661番地(関東天然瓦斯開発株式会社構内)
• 導入設備:
– 水素発生装置「VHR」(製造能力:720Nm³/h)
– CO₂回収装置(製造能力:200Nm³/h)
– 水素圧縮機、水素トレーラー・カードル充填設備
• 低炭素水素の定義:水素製造1kgあたりCO₂排出量3.4kg以下(Well-to-gate基準)
• 投資額:約28億円
• 操業開始:2027年5月予定