・グリースの飛散抑え制御信頼性向上、ロボットの小型・高出力化にも貢献
NTNは7月28日、産業用ロボットや工作機械、半導体製造装置などに使用されるサーボモーター向けに、「低発塵軸受」の量産を開始したと発表した。発塵の原因となるグリースの飛散を大幅に抑制するとともに、回転時の低トルク化も実現した高付加価値製品で、大手モーターメーカーへの納入が始まっている。
新製品は、軸受内部の潤滑に用いるグリースの成分と配合を見直した専用の「低発塵グリース」と、密封性を高めた新設計のシールを組み合わせることで、軸受からの発塵量を従来品比で約90%削減。さらに、シール形状の最適化により密封性を確保しながら、トルクは従来比で約50%低減した。これにより、長期間にわたって安定した回転性能を維持しつつ、サーボモーターの高精度な制御の信頼性を大きく高める。
サーボモーターは、エンコーダーやブレーキを搭載し、回転速度や角度を高精度に制御できるため、精密動作が求められる産業機械に不可欠な要素である。しかし、従来の軸受ではグリースの油分などがエンコーダーやブレーキディスクに付着し、制御精度や制動性能に悪影響を及ぼすリスクがあった。
新製品の導入により、サーボモーターの密封構造を簡略化でき、小型化が可能となるほか、低トルク化によって高出力化にも寄与する。特に関節部駆動にサーボモーターを使用する産業用ロボットや人型ロボット分野では、軸速度や加速度の向上を通じた性能向上に大きく貢献することが期待される。
NTNでは今後、本製品に加え、高速回転や低振動化に対応した「高速サーボモーター用深溝玉軸受」の提案も進め、サーボモーターのさらなる性能向上に向けた製品展開を強化していく方針。
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