International Rental News:2025年7月25日
中国の建設機械大手・柳工(LiuGong)は、2026年までに欧州市場向けに10機種の新型電動建設機械を投入する計画を明らかにした。これには、同社初となる電動スキッドステアローダー、リーチスタッカー、フォークリフトが含まれており、2030年までに業界全体の販売台数の85%をカバーするという広範な電動化ロードマップの一環となっている。
この発表は、英ポーツマスで開催された「Zero Boundaries: LiuGong BEV Experience」イベントにおいて行われたもので、販売代理店や顧客、関係者が集まり、同社の最新電動機種や英国市場における戦略が披露された。
イベントに登壇した柳工ヨーロッパのプロダクトディレクター、ハリー・メラー氏は、2026年のBEV計画においては、95トンクラスの「995FE」や35トンクラスの「8110TE」など、大型油圧ショベルやホイールローダーのラインアップ拡充も含まれると述べた。
また、同氏は、柳工の電動建機は現在、世界中で1万500台以上が稼働しており、中には累積稼働時間が2万時間を超える機体もあると報告した。
今後の製品展開に向けては、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)技術を活用し、バッテリーや充電システム、現場用エネルギーソリューションを統合した形で提供し、接続性と稼働率の向上を図る方針だという。
英国市場に関しては、柳工は新たにドラゴン・プラント・セールス(ウェールズ)と販売代理店契約を締結し、さらにロイド社との提携により、北西イングランドおよびスコットランドへの販売・サービス体制を拡大した。
加えて、建材大手ホルシムUKでは、柳工製電動ローダー「870HE」の英カロー採石場での試験運用が成功したことを受け、2025年に20台の発注を進めており、現在はホルシム本社による最終承認を待っている段階だ。
同社は、英国を戦略的市場として長期的に重視し、販売網やサービス体制のさらなる強化を目指す考えも改めて表明した。
柳工ヨーロッパ社長のハワード・デール氏は次のように語った。
「私たちは欧州全域、そしてここ英国において、強固で持続可能な未来を築いていきます。方向性は明確です。私たちは、インテリジェントで電動な建機を通じて人々の力を引き出し、世界をリードする建機・テクノロジープロバイダーになることを目指しています。」