フランスの産業用ロボット市場、2024年も販売が再び急落

 EVOLIS (フランス機械工業団体の一つ): 2025年7月24日

 2023年、フランス国内における産業用ロボットの販売台数は約5,500台となり、市場は前年比で18.4%縮小した。この減少傾向は2024年も続き、ロボットメーカーは再び販売減に直面している。

 実際、調査によれば、2024年の産業用ロボット販売は約4,000台となり、前年比で30%の減少となった。これは2016年~2017年頃の水準に逆戻りした形だ。

 この販売減の背景には、産業界全体の活力低下がある。投資の減少や資金繰りの悪化といった経済的不確実性、議会の解散や予算審議などの政治的混乱、そして紛争の激化や米中貿易戦争などの地政学的リスクが重なっている。

 さらに、フランスの産業用ロボットメーカーは、特に中国勢を中心とするアジアからの激しい競争にもさらされている。品質は同等でありながら、価格が大幅に安い中国製ロボットが市場に流入しているほか、中国のロボット企業がフランス国内にオフィスを構え、自社製品の販売認証を取得する例も増えている。

 欧州の自動車産業もまた、アジアからの車両輸入や米国主導の貿易戦争の影響で打撃を受けており、ロボットメーカーにとっての主要顧客ではなくなりつつある。フランスもその例外ではない。

 2024年、自動車関連の産業用ロボット販売は引き続き減少。また、産業機械・装置分野も、前年に一時的な増加を見せたものの、2024年はわずかにシェアが縮小している。

 一方、食品加工産業は依然として堅調な分野であるが、2024年におけるロボット販売の伸びは、業界の期待ほどではなかった。

 最後に、医療ロボット分野は、ロボットメーカーにとって今後有望な市場の一つとして注目されている。

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