日本ロボット工業会が24日発表した2025年4〜6月期の産業用ロボット統計(会員ベース)によると、受注額は前年同期比24.2%増の2,234億円となり、4四半期連続で増加した。受注台数も16.0%増の4万8,353台と好調を維持している。
電子部品実装機の強い伸びが全体を押し上げたほか、マニピュレーティングロボットでも垂直多関節ロボットや水平多関節ロボットで回復傾向が見られた。生産面でも台数が18.1%増の4万6,156台、生産額が15.0%増の2,028億円となった。
■輸出好調、アジア向けは過去最
出荷状況を見ると、国内向けは自動車製造業向けを中心に主要業種で減少したものの、輸出が大幅に伸びた。輸出台数は30.7%増の3万8,041台、輸出額は36.4%増の1,708億円となった。
地域別では、電子部品実装用ロボットが中国やその他のアジア地域で大きく増加し、溶接用や半導体用も好調だったことで、アジア向け輸出額は四半期として過去最高を記録した。北米向けもマテリアルハンドリング用、溶接用を中心に大きく回復した。
一方、欧州向けは依然として低調で、前四半期同様に2020年の水準にまで落ち込んでいる。
■国内需要は低迷続く
国内出荷は台数が16.9%減の7,199台、出荷額が11.3%減の369億円と2四半期連続で減少した。業種別では電気機械製造業向けが台数で11.4%減、自動車製造業向けが31.5%減と大幅な落ち込みを見せた。
用途別の輸出では、電子部品実装用が台数で34.3%増、額で46.1%増と5四半期連続の増加。溶接用も台数で67.8%増、額で71.4%増と大幅に伸びた。
■先行き不透明感は継続
同工業会では「世界的な自動化需要によりロボット市場の着実な回復が期待される一方で、地政学的リスクや関税政策等を背景に需要環境は依然として不安定で、先行きの不透明感は当面続くとみられる」と分析している。
国内製造業の設ha備投資意欲の回復が今後の焦点となりそうだ。
発表資料: 添書2504-06 、IR2025-04-06
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