ファナック、25年4~6月売上は 0.6 増の1,964億円、25年度予想は1.2%増の8,070億円

・通期予想は米国関税15%を考慮

 ファナックが7月25日に発表した2026年3月期第1四半期(25年4~6月)連結業績によると、売上高は1,963億63百万円(前年同期比0.6%増)、経常利益515億52百万円(同25.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は378億44百万円(同31.4%増)となった。

 4〜6月期における同社グループを取り巻く状況は、米国政府による相互関税の影響、それに伴う世界経済への影響、為替変動、地政学リスク等、不透明な要素が多々あり、総じて予断を許さない状況が続いた。このような中、同社では業績への影響を最小限にとどめるべく、セールス、研究開発、工場、サービス、事務、全ての部門の総力を挙げて拡販や経費削減等に取り組んだ。

 ファナック2026年3月期第1四半期データ

■部門別の概況
<FA部門>
 FA部門は、CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、国内や欧州で低調に推移したものの、インドや設備投資に積極的な産業からの需要が旺盛だった中国で堅調に推移し、CNCシステムの売上は増加した。
 FA部門の売上高は496億71百万円(前年同期比3.5%増)となった。

<ロボット部門>
 ロボット部門は、中国でEV関連向け、一般産業向けが好調に推移し、売上が大きく増加した。一方、国内では自動車関連向けの減速が顕著であり、一般産業向けも需要がまだら模様で、売上が減少した。欧米でも主に自動車関連向けが低調で売上が減少した。
 この結果、ロボット部門の売上高は809億65百万円(前年同期比3.8%減)となった。

<ロボマシン部門>
 ロボマシン部門は、ロボドリル(小型切削加工機)では、主にインドのIT関連市場で需要が増加し、売上は増加した。一方、ロボショット(電動射出成形機)では、中国での需要減があり、売上が減少した。ロボカット(ワイヤ放電加工機)は、欧州、米州、インドでの需要が堅調で、売上が増加した。
 この結果、ロボマシン部門の売上高は339億32百万円(前年同期比16.3%増)となった。

<サービス部門>
 サービス部門は、「サービスファースト」の精神のもと、ITを活用したCX(顧客体験)を重視し、顧客満足度の向上をグローバルに推進するサービス体制の強化を図った。
 サービス部門の売上高は317億95百万円(前年同期比6.0%減)となった。

■連結業績予想に関する説明
 2025年4月23日公表の2025年3月期決算短信において、2026年3月期の連結業績予想については、「米国における関税の影響等を慎重に見極め、合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示する予定」としていた。米国政府による相互関税の影響、それに伴う世界経済への影響、為替変動、地政学リスク等、引き続き不透明な要素は多々あるが、最新の状況および業績の動向等を踏まえ、下記の連結業績予想については、8月1日から適用される米国関税率15%を考慮して、算定している。

 売上高8,070億円(前期比 1.2%増)、営業利益1,595億円(同0.4%増)、経常利益1,963億円(同0.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,430億円(同3.1%減)。

 2026年3月期第1四半期決算説明資料

 ファナックの2026年3月期第1四半期決算短信