コネクレーンズ、25年上期売上は4.7%増の20億3,610万ユーロ、堅調な業績が継続

 Konecranes(コネクレーンズ):2025年7月24日

 フィンランドの世界的マテリアルハンドリング機器メーカー、コネクレーンズ社が2025年7月24日に発表した上半期業績は、前年同期を上回る堅調な成長を示した。新CEO就任後初の決算となった今回の結果は、同社の事業戦略の成功と市場での競争優位性を裏付けるものとなっている。

■第2四半期(4-6月期)業績ハイライト
・受注・売上高の好調な推移
 2025年第2四半期の受注高は10億9,680万ユーロ(前年同期9億6,770万ユーロ)となり、13.3%の増加を記録した。為替変動を除いた比較可能ベースでは17.1%の大幅な伸びを示している。事業別では、産業サービス事業で減少したものの、産業機器事業とポートソリューション事業が好調な受注を獲得した。
 売上高は10億5,240万ユーロ(前年同期10億3,150万ユーロ)となり、2.0%増加した。為替変動を除いた比較可能ベースでは5.3%の成長となっている。

・収益性の維持と改善
 注目すべきは収益性の高さで、比較可能EBITA(金利・税金・償却前利益)マージンは14.3%となり、前年同期と同水準の記録的な高さを維持した。これは同社が長年にわたって実施してきた構造改革の成果と、成功したビジネスモデルの証左といえる。
 営業利益は1億3,690万ユーロ(前年同期1億3,780万ユーロ)、売上高営業利益率は13.0%(前年同期13.4%)となった。

■上半期(1-6月期)業績
 上半期全体では、受注高が21億5,900万ユーロ(前年同期18億7,680万ユーロ)と15.0%増加し、売上高は20億3,610万ユーロ(前年同期19億4,460万ユーロ)で4.7%の成長を記録した。
 財務健全性も向上しており、純有利子負債は1億6,610万ユーロ(前年同期4億3,770万ユーロ)に大幅に改善し、ギアリング比率も9.0%(前年同期26.8%)まで低下した。

■事業部門別パフォーマンス
<産業サービス事業>
・安定した成長基盤
 産業サービス事業の第2四半期売上高は3億8,610万ユーロとなり、為替変動を除いた比較可能ベースで2.1%増加した。比較可能EBITAマージンは22.6%(前年同期22.1%)に改善し、効果的なコスト管理が収益性向上に寄与した。
 同事業の核となる年間契約ベース価値は3億3,130万ユーロとなり、為替変動を除いたベースで4.5%の成長を示している。これは同社の長期戦略である契約ベース拡大計画に沿った好ましい展開といえる。

<産業機器事業>
・受注は好調も売上減少
 産業機器事業の第2四半期外部売上高は2億8,020万ユーろとなり、為替変動を除いた比較可能ベースで4.7%減少した。一方で、外部受注高は為替変動を除いたベースで11.7%増加しており、将来の売上成長への基盤は整っている。
 比較可能EBITAマージンは6.3%(前年同期9.8%)に低下したが、これは主に売上高減少による影響とされている。

<ポートソリューション事業>
・記録的な業績
 最も好調だったのがポートソリューション事業で、第2四半期売上高は4億770万ユーロとなり、為替変動を除いた比較可能ベースで18.0%の大幅増加を記録した。受注高も為替変動を除いたベースで41.8%の大幅な伸びを示している。
 比較可能EBITAマージンは12.6%(前年同期10.5%)と過去最高水準に達し、売上高増加による良好なオペレーティングレバレッジが収益性向上に大きく貢献した。

■新CEO マルコ・ツロカス氏のコメント
 今期からCEOに就任したマルコ・ツロカス氏は、「コネクレーンズの新CEOとして初の四半期を迎え、特にポートソリューション事業における堅調な業績を発表できることを嬉しく思います」と述べた。
 ツロカス氏は同社での20年間のキャリアを振り返りながら、「現在のコネクレーンズの地位を見ることができて素晴らしい」と語り、今後の方針として「強力な顧客重視、幅広い製品提供、技術リーダーシップ、そして刺激的な企業文化という我々の強みをさらに強化していきたい」と表明した。

■市場環境と今後の見通し
・需要環境
 産業顧客セグメントにおける需要環境は良好なレベルを維持している。ただし、地政学的緊張や貿易政策の不確実性により、需要関連の不確実性とボラティリティが続いている状況だ。
 世界のコンテナ取扱量は高水準で推移しており、グローバルなコンテナハンドリングに関する長期的な見通しは全体的に良好とされている。

■業績ガイダンス
 同社は2025年通期の業績ガイダンスを維持し、純売上高は2024年とほぼ同水準にとどまる見込みとしている。また、2025年通期の比較可能EBITAマージンは2024年とほぼ同水準か、それを上回る水準になると予想している。

■長期戦略と競争優位性
 コネクレーンズは5月に開催したキャピタルマーケッツデイで長期財務目標を引き上げ、EBITAマージン目標レンジを従来の12-15%から13-16%に上方修正した。これは将来への強固な自信を反映したものであり、2029年までの達成を目指している。

 ツロカス新CEOは、「コネクレーンズは明確な競争優位性を持ち、現在のグローバル環境において良いポジションにあります。優秀なチーム、強固なバランスシート、そして成長機会を提供し続ける市場により、より安全で生産的、持続可能な方法でマテリアルハンドリングの次世代を共に形作っています」と結んでいる。

■コネクレーンズについて
 コネクレーンズは、マテリアルハンドリングソリューションのグローバルリーダーとして、複数の業界にわたる幅広い顧客にサービスを提供している。50カ国以上で約16,500名のプロフェッショナルを擁し、2024年のグループ売上高は42億ユーロ。同社株式はナスダック・ヘルシンキに上場している(ティッカー:KCR)。

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