ユングハインリッヒ、ベルギー・ピカノール工場の物流を自動化

・可搬式ロボット「arculee M」6台が、柔軟かつ拡張性の高いマテリアルフローを実現

 Jungheinrich (ユングハインリッヒ ): 2025年7月23日

 フォークリフト大手のユングハインリッヒ(本社:独ハンブルク)は、ベルギーの織機メーカー、ピカノール(Picanol)社から、イーペル(Ypres)工場における構内物流の自動化プロジェクトを受注した。今回の案件では、同社の自律走行搬送ロボット(AMR)「arculee M」タイプを6台導入し、荷受けエリア・自動小型部品倉庫(ASRS)・ピッキングステーション間の搬送を自動化する。

 ピカノールは高性能織機の世界的メーカーであり、90%以上をEU域外に輸出している。これまで同社の構内物流は自動搬送装置(コンベヤ)によって構成されていたが、将来的な生産体制の変化に柔軟に対応できるソリューションとして、より拡張性の高いAMR導入を決断した。

 今回導入されるarculee Mは、全長230メートルに及ぶ搬送ルート上に50ヵ所のステーションを持ち、最大1,300kgのパレット搬送が可能。最新の360度センサーによる安全機能を備えており、複雑な作業環境でも高い安全性を確保する。また、リチウムイオン電池による自動充電機能を活用し、平日16時間稼働(週5日)に対応する。

 特徴的な装備として、ユングハインリッヒとピカノールが共同開発した「Cust Backpack」機構により、455mmの高さでパレットの自動ピックアップが可能となっている。

 本プロジェクトにより、工場内の資材供給が最適化され、手動搬送による損傷リスクも大幅に低減される。加えて、予測型搬送計画と荷重モニタリング機能により、稼働効率の向上とダウンタイム削減が期待されている。

 ユングハインリッヒのプロジェクトマネージャーであるイェレ・セリス氏は「本プロジェクトは、顧客と密接に連携したカスタマイズ自動化ソリューションが、いかに構内物流の効率を高めるかを示す好例です」と述べている。

 新システムは2025年8月に稼働開始予定。

■ピカノールについて
 ピカノールは、テッセンダロ・グループ(Tessenderlo Group、ユーロネクスト:TESB)傘下の企業で、高性能織機の設計・製造を手がける。グループ全体では、鋳造・機械加工のProferro、電子機器開発のPsicontrol、金属3DプリンティングのMelotteを含む4社体制で構成され、従業員数は全世界で2,200人、そのうち1,300人超がイーペルに拠点を構えている。

 ※画像キャプション:ピカノールは、自動コンベヤからarculee M型AMRへと搬送システムを刷新。高い柔軟性と拡張性により、生産体制の変化にも迅速に対応可能となる。

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