ファナック、Series 500i-Aで工具管理機能を大幅強化 ー 名称による直感的管理とデジタルツイン連携を実現

 産業用ロボットとFA機器の世界的リーダーであるファナックは7月22日、CNCシステム「FANUC Series 500i-A」において工具管理機能を大幅に強化したと発表した。

■直感的管理と自動化でミスを大幅削減
 従来の工具管理では、工具番号による管理が一般的だった。しかし、新しい工具管理機能では、各工具に名称を設定することが可能になり、加工プログラムから工具の名称を指定して工具選択を行える。これにより、製造現場では工具番号ではなく名称による直感的で分かりやすい管理が実現する。
 新機能の最大の特徴は自動化の徹底にある。工具交換指令で選択された工具の補正量は自動的に適用され、加工プログラムの作成が容易になる。さらに、誤った補正量の適用によるミスも防止できる仕組みが組み込まれている。
 工具長補正についても大きな改善が図られた。工具交換後に自動的に補正が開始されるため、加工プログラム上での補正指令が不要となる。この自動化により、加工不良やワークと工具の衝突リスクが大幅に軽減される。
 機械側の動作とのインターフェースについては、従来の柔軟性を維持しながらも、設計を簡略化できる仕様を採用している。これにより、機械メーカーの設計工数削減にも貢献する配慮が施されている。

■デジタルツイン連携で未来の製造業に対応
 専用の工具管理画面では、各工具のデータや取付位置の管理が可能で、シンプルで使いやすいインターフェースが提供されている。現場オペレーターの作業効率向上が期待される。
 Industry 4.0時代の要求に応える形で、工具に関する各種データはデジタルツイン環境と共有可能となっている。各種デジタルツインソフトウェアと連携して動作するため、スマートファクトリー構築における重要な要素として機能する。
■まとめ
 FANUC Series 500i-Aの工具管理機能強化は、単なる機能追加を超えて、製造現場の働き方を変える可能性を秘めている。直感的な管理、自動化によるミス防止、デジタルツイン連携など、現代の製造業が求める要素を包括的に取り入れた革新的な機能と言えるだろう。

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