ヒアブ、2025年上期売上は4%減の8億1,400万ユーロ

・利益率は改善、通期見通しを上方修正

 Hiab(ヒアブ)2025年7月23日

 荷役機器大手のヒアブ(Hiab、ナスダック・ヘルシンキ:HIAB)は7月23日、2025年1~6月期(上期)の決算を発表した。売上高は前年同期比で4%減の8億1,400万ユーロとなったが、営業利益率は改善し、好調な収益性を背景に通期の業績見通しを上方修正した。

■ 第2四半期(4〜6月)ハイライト
• 受注高:3億7,700万ユーロ(前年同期比8%増)
• 売上高:4億200万ユーロ(同7%減)
• 営業利益(EBIT):6,000万ユーロ(同5%減)
• 営業利益率:15.0%(前年同期:14.5%)
• 当期純利益:4,400万ユーロ(同4%減)
• 1株当たり利益:0.67ユーロ(前年同期:0.72ユーロ)
• 営業キャッシュフロー:5,600万ユーロ(前年同期:8,900万ユーロ)

 第2四半期の受注は前年同期比で8%増となり、米州・EMEA・アジア太平洋(APAC)の各地域で堅調に推移。特に米州では大口顧客からの受注タイミングが寄与した。一方、売上高は前年同期比7%減となったが、商業戦略やサプライチェーン施策の奏功により営業利益率は前年を上回った。

 機器部門の営業利益率は13.9%(前年同期:15.2%)とやや低下したが、サービス部門は25.0%(同:21.7%)と大きく改善し、過去最高を記録した。

■ 上期(1〜6月)実績概要
• 受注高:7億5,500万ユーロ(前年同期比3%増)
• 売上高:8億1,400万ユーロ(同4%減)
• 営業利益(EBIT):1億2,600万ユーロ(同2%増)
• 営業利益率:15.5%(前年同期:14.7%)
• 当期純利益:9,000万ユーロ(同2%増)
• 1株当たり利益:1.39ユーロ(前年同期:1.37ユーロ)
• 営業キャッシュフロー:1億8,300万ユーロ(前年同期:2億6,300万ユーロ)

 売上は減少したものの、粗利益率改善施策やコスト管理の徹底により、利益水準は堅調に推移。環境対応製品(エコ・ポートフォリオ)の売上は2億9,700万ユーロと、前年同期比24%増加し、全体の37%を占めた。

■ 通期見通しを上方修正
 ヒアブは今回、2025年通期の見通しを以下のように上方修正した。
• 営業利益率(継続事業ベース):13.5%超(従来見通しは12.0%超)
• 前年実績(2024年):13.2%

上期の好調な業績を受けて、通期利益率の「最低水準」として13.5%超を見込むとし、2028年に向けた長期財務目標(営業利益率16%)に向けた進捗も「順調」との見方を示した。

■ マックグレゴー事業の売却完了見通し
 ヒアブは海洋機器事業「マックグレゴー(MacGregor)」の売却契約に基づき、同事業を2024年第4四半期以降「非継続事業」として報告。売却完了は2025年7月31日を予定しており、すでにすべての規制当局からの承認を取得済み。売却によるキャッシュイン効果は約2億2,500万ユーロが見込まれている。

 これによりバランスシートは一段と強化され、今後の成長投資の原資として活用される見通し。2025年6月末時点の継続事業ベースでの純現金ポジションは7,800万ユーロ。

■ CEOコメント:「単独企業としての第一歩は力強く」
 スコット・フィリップス社長兼CEOは、次のようにコメントしている。
 「2025年第2四半期は、単独企業としてスタートした最初の四半期でしたが、11四半期連続で受注を安定的に維持し、優れた収益性を達成できたことは非常に意義深い成果です。貿易摩擦による不透明感は続くものの、我々のビジネスは堅調で、2028年に掲げる財務目標に向けた歩みは着実に進んでいます」

■ ヒアブについて
 ヒアブは、スマートかつ持続可能な道路用荷役機器ソリューションの世界的リーダー企業。世界100カ国以上にわたる販売・サービスネットワークを持ち、直営・パートナー含め3,000拠点を展開している。2024年の継続事業ベースの売上高は約16億ユーロ、従業員数は4,000人超。
公式ウェブサイト:www.hiabgroup.com

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 2025年上期レポート