コマツ、次世代鉱山トラックを欧州最大級鉱山に導入、脱炭素化へ前進

 コマツは7月24日、スウェーデンの資源大手Boliden(ボリデン)社が操業するアイティク銅鉱山において、次世代型マイニングトラック「パワーアグノスティックトラック」シリーズの第1号機として、ディーゼル・トロリー方式の930E型の稼働を開始したと発表した。鉱山現場における同シリーズの実運用は世界初※という。

 この「パワーアグノスティックトラック」は、コマツの主力モデルである積載量290トンの電気駆動式超大型ダンプトラック「930E」をベースに、多様な動力源に対応可能なモジュール設計を採用。共通の車体プラットフォームを用い、現在はディーゼルとトロリー電力で運用されているが、将来的にはバッテリーや水素燃料電池など、より環境負荷の少ない動力源への移行も可能となっている。

 今回導入されたモデルには、トロリーアシスト機能が搭載されており、燃料消費と温室効果ガス(GHG)の排出削減に寄与する。コマツはこの取り組みを、鉱山現場の電動化に向けた「第一歩」と位置づけており、脱炭素社会の実現に向けた重要なマイルストーンとした。

 アイティク銅鉱山は欧州有数の高生産性鉱山で、今後12カ月間、実運用下での性能検証が行われる予定。コマツはこのトラックを2024年9月、ラスベガスで開かれた国際鉱山機械展示会「MINExpo」で初公開しており、会場では高い関心を集めた。

 Boliden社は、鉱山オペレーションのゼロエミッション化を目指す「GHGアライアンス」(コマツと鉱山会社12社で構成)の創設メンバーでもあり、今回の導入により、持続可能な鉱業への取り組みをさらに加速させる考えだ。両社は、本プロジェクトを通じて得られる知見を、今後の低炭素型鉱山機械の開発や運用改善に活かしていくとしている。

※コマツ調べ。

 ニュースリリース