・効率化を実現、掘削速度4倍に
長栄通建(北海道札幌市)は、マルマテクニカ(神奈川県相模原市)が取り扱う高性能トレンチャー「RTX750SOC」を茨城県の無電柱化工事で活用し、従来の工法と比較して大幅な効率化と省力化を実現した。同機は油圧ショベルの約4倍の掘削速度を誇り、複雑なカーブ掘削にも対応することで、インフラ整備の新たな可能性を示した。本件はマルマテクニカ により、2025年7月18日に発表された。
「RTX750SOC」は、前後のタイヤを独立して操作できる特性を持ち、道幅やカーブの度合い、排出コンベヤの向きに柔軟に対応しながら掘削が可能。現場では、指示者と運転者が密に連携し、複雑なカーブ区間においてもスムーズな作業が進行した。
今回の工事は高圧ケーブル用塩ビ管の埋設を目的とし、午前中に掘削と管の敷設、午後に埋め戻しと転圧を実施する効率的な工程を採用。1日の施工距離は約60mに達した。掘削土は再利用するため、表層の路盤層と路床を2段階で掘削する方式が取られた。さらに、掘削土を直接ダンプトラックに積み込める排出コンベヤを搭載しているため、掘削速度の速さに合わせてダンプトラック7台をローテーションさせることで、効率的な排土搬出体制を構築した。
長栄通建の村山代表取締役は、「今後もトレンチャーを活用し、効率的かつ低コストな無電柱化工事を全国へ展開したい」と述べ、さらに「防災・景観の両面から“命を守るインフラ”として、まずはモデル地区をつくり、予防防災の重要性を広く発信していきたい」と意欲を示した。
今回の工事で実証された「RTX750SOC」の高効率な掘削技術は、今後全国的に推進される無電柱化や各種インフラ整備において、大幅な省力化とコスト削減に貢献するものと期待される。
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