Valmet (バルメット):2025年7月21日
フィンランドの産業機械大手バルメット(Valmet)は、スペインの製紙・包装材メーカー、サイカグループ(Saica Group:Sociedad Anonima Industrias Celulosa Aragonsesa)から、同社のエル・ブルゴ・デ・エブロ(El Burgo de Ebro、サラゴサ県)工場向けにバイオマスボイラおよび排ガス処理装置を納入する契約を受注したと発表した。引き渡しは2026年末を予定している。
今回の受注は2025年第2四半期の受注実績に計上される。契約金額は非公表。
納入されるのは、循環流動層(BFB)技術を採用したバルメット製BFBボイラで、年間70万トン超の蒸気を生成する能力を持つ。燃料にはバイオマスを使用し、化石燃料の使用削減とCO₂排出量の大幅な低減を実現する。これは、サイカグループが掲げる「持続可能性」と「循環型経済」の理念に沿った取り組みの一環。
このプロジェクトは、スペイン産業・観光省から戦略的経済回復・変革プロジェクト(PERTE)として助成金の交付を受けている。サイカグループのインダストリアル・プロジェクト・ディレクターであるフアン・アントニオ・メレル氏は、「バルメットのBFBボイラ技術は実績があり、これまでのプロジェクトでも良好な成果を得ている。今回の協力も、困難なプロジェクトの成功につながると期待している」とコメントしている。
また、バルメットのエネルギー・サーキュラリティ部門バイスプレジデント、ラウリ・ペフ=レフトネン氏は、「この受注は、産業界の脱炭素化を支援する当社技術の重要性を示すものであり、顧客ニーズに応える高品質かつ革新的なソリューションを提供するという当社の姿勢を体現している」と述べた。
■納入範囲と技術仕様
バルメットの納入範囲には、BFBボイラ本体のほか、補助設備、ボイラ建屋、据付、試運転、立ち上げ作業が含まれる。また、バグフィルタを用いた排ガス処理システムも提供する。
■ Saica Group(サイカグループ)について
サイカグループは、段ボールおよびパッケージ用紙の製造において、持続可能なソリューションを提供する欧州有数の企業で、廃棄物管理の分野でも循環型社会を推進している。従業員数は12,000人超で、スペイン、フランス、イタリア、ポルトガル、英国、アイルランド、トルコ、ルクセンブルク、オランダ、ポーランド、米国などで事業を展開。2024年12月末時点の連結売上高は36億6,200万ユーロにのぼる。
■ Valmet(バルメット)について
バルメットは、パルプ・製紙・エネルギー業界向けのプロセス技術、オートメーション、サービスの世界的リーディングカンパニー。2024年の売上高は約54億ユーロで、19,000人以上の従業員が世界中の顧客と密に連携しながら業務改善を支援している。
本社はフィンランド・エスポーにあり、225年超の産業の歴史と、持続可能性・技術革新における豊富な実績を持つ。同社の株式はナスダック・ヘルシンキに上場している。