ソディック、アドバンテッジアドバイザーズと資本業務提携、M&Aや脱中国依存へ100億円調達

 工作機械や産業機械を手がけるソディックは7月18日、投資ファンドのアドバンテッジアドバイザーズと資本業務提携契約を締結し、総額100億円の資金調達を行うと発表した。提携を通じて経営支援を受け、グローバル展開やM&A(企業の合併・買収)の加速、新事業投資、さらには脱中国依存を含む企業体質の強化を図る。

 同社は、無担保転換社債型新株予約権付社債(CB)80億円と新株予約権20億円を、アドバンテッジアドバイザーズの成長支援ファンド「AAGS S14, L.P.」に割り当てる。転換・行使価格は931円、最大希薄化率は19.6%。2026年2月以降、株価が120%を超えた場合に転換・行使が可能となる。

 今回の資本業務提携は、同日開催のソディック取締役会で決議された。アドバンテッジアドバイザーズは7月末にアドバンテッジパートナーズと吸収合併予定で、同グループは複数の上場企業への戦略的助言実績を持つ。今後は営業体制や販売戦略、在庫・KPI管理の高度化、ソリューション販売の強化、M&A支援など、幅広い経営支援を受ける。提携の本格始動は8月4日を予定している。

 調達した資金のうち、30億円を欧米やアジア地域での販売会社・テクニカルセンター新設などグローバル展開に、40億円をM&Aに、残る30億円をソフトウェアやIT投資、人材強化、設備増強などに充てる計画。成長投資は今後3年間で営業キャッシュフロー320億円に対し、設備・研究投資に200億円、株主還元に55億円を充てる方針で、状況に応じて株主還元の追加実施も検討するという。

 ソディックは放電加工機や金属3Dプリンタを中心とした工作機械に加え、射出成形機や食品機械、リニアモータ応用製品、セラミックス製品、LED照明なども展開。高精度・高速・自動化対応が進む製造現場に向け、製品やサービスの高度化を進めている。

 同社は「今回の提携は2025年12月期業績への影響は軽微」としつつも、「中長期的にはグローバル市場での競争力強化と新規事業の創出による非連続な成長を見込む」としており、アドバンテッジアドバイザーズとの協業を本格化させる構え。

 事業提携リリース

 企業価値向上に向けた事業提携及び資金調達について