HD現代建機、ベトナムで「K-建機」人材育成支援を本格化 — 教育・機材提供通じて市場開拓へ

 HD現代建機(HD Hyundai Construction Equipment)は、韓国の国際協力機構(KOICA)と連携し、ベトナムにおける建設機械分野の人材育成支援に乗り出した。現地の教育機関と協力し、機材提供やカリキュラム開発を通じて、持続可能な産業基盤の形成を目指す。

 7月11日、同社はハノイの職業訓練校「中央交通大学第1校(CCT1)」と、長期的な人材育成プロジェクト「グリーン&スマート建設機械人材プロジェクト」に関する覚書(MOU)を締結。実習用として、現地で需要の高い22トン級油圧ショベル1台を寄贈した。これは、KOICAによるインクルーシブ・ビジネス促進事業(IBS-ESG)の一環で、締結式にはHD現代建機のキム・ビョンスAM/PS本部長をはじめ、CCT1のドゥオン・テ・アイン校長、KOICAやベトナム政府関係者など約40名が出席した。

 今回の協定に基づき、今後5年間で以下の取り組みを推進する:
• スマート建機および教育資材の提供
• 教育カリキュラムの共同開発
• 技能五輪への参加支援
• 就職説明会の開催
• 地域住民や社会的弱者への教育機会の提供

 これにより、学生、教員、公務員、技術者など500名超の人材育成が見込まれている。CCT1側は、今後の研修生の受け入れ拡大や教員向けの新技術教育、韓国への講師派遣、就職支援の強化を図る。

 HD現代建機は今回の取り組みについて、「環境対応型・スマート技術を軸にした教育とインフラ整備を進めることで、ベトナム国内に持続可能な建機産業エコシステムの構築を後押しする」と説明。現地教育機関や産業基盤との連携強化により、ブランド競争力と事業拡大を同時に進める方針。

 韓国貿易投資振興公社(KOTRA)によると、都市化政策の追い風を受けて、ベトナムの新車建機市場は2029年まで年平均4.35%の成長が見込まれ、同年には年間販売台数7,900台に達する見通し。HD現代建機はベトナム市場でのプレゼンスを確立した後、インド、ブラジル、インドネシアなどの新興国にも展開を広げ、国際プロジェクトや多国間事業への参入を加速する構えだ。

 なお、同社は2006年から韓国・忠清北道の陰城(ウムソン)にて「グローバルトレーニングセンター」を運営。海外技術者研修や新入社員向けの建機整備教育、技能五輪選手の育成などを通じて、国内外の建設機械業界における人材育成を積極的に進めている。

 ニュースリリース