・1,500馬力の国産エンジンが技術・供給力で高評価
HD現代インフラコア(HD Hyundai Infracore)は7月8日、韓国防衛事業庁(DAPA)からK2主力戦車向けエンジン「DV27K」の新たな受注を獲得したと発表した。納入は2028年まで段階的に行われる予定で、これにより同社は韓国内防衛エンジン分野でのリーダーシップを一層強固なものとする。
受注の対象となる「DV27K」は、同社が独自に開発した1,500馬力の大出力ディーゼルエンジン。K2戦車(重量56トン)に搭載され、最高時速70kmの高速走行を可能にする。同エンジンは、排気ガスを再利用してシリンダー内に圧縮空気を送り込む仕組みを採用し、燃焼効率と出力を高めている。加えて、振動を抑えつつ出力を均等に分散する構造により、過酷な戦場環境でも安定した性能を発揮する点が特長。
このエンジンは、技術力、コスト競争力、供給の信頼性において高い評価を受けており、米国、ドイツ、フランス、韓国といった限られた国しか実現していない高出力戦車エンジンの一角を担う。エンジン調達に苦慮する各国からも注目される存在となっている。
HD現代インフラコアは、2004年から約10年にわたりK2用エンジンの国産化開発を進め、2014年に開発を完了。2019年以降はDAPAへの唯一の供給企業として採用されている。
エンジン事業部門の責任者であるキム・ジュンス氏は「今回の受注は、当社の防衛技術強化への姿勢をさらに裏付けるものです。強固なサプライチェーンと継続的な技術革新を通じて、韓国の防衛力強化に貢献していきます」とコメントしている。
同社は将来の成長機会確保に向けた設備投資にも注力しており、昨年12月には防衛および大型発電用エンジン、バッテリーパックの新工場を群山(グンサン)および仁川(インチョン)に建設するため、1,412億ウォン(約160億円)を投じると発表している。
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