清水建設は7月15日、自律施工型ブルドーザー「Smart Dozer(スマートドーザー)」による盛土工事の実証施工を開始したと発表した。建設業界で深刻化する人手不足と熟練作業員の減少に対応するため、同社はボッシュエンジニアリング、山﨑建設と共同で、自動運転による無人化施工の実現に向けた技術開発を進めている。
Smart Dozerは、ブルドーザーに高度な環境認識機能と自律制御システムを搭載し、周囲の状況をリアルタイムで認識しながら最適な施工経路を自ら導き出すのが特長。人や建機、土砂山、障害物といった周辺環境を高精度で把握でき、ブレード操作や車体の移動、緊急停止といった動作も自律的に制御する。これにより、作業者による遠隔操作なしでも、あらかじめ設定されたプログラムに従って敷均し作業を行うことが可能となる。
今回の実証では、実験フィールドにおいて、待機場所から施工現場までの移動経路や作業エリア内の施工ルートを自律的に生成・判断する「経路自動生成機能」の検証を行っており、2025年内の実現場への本格適用を目指す。
なお、Smart Dozerに実装された一部の環境認識機能は、清水建設が国土交通省より受託している「宇宙無人建設革新技術開発プロジェクト」の一環として開発されたもの。将来的には、盛土工事にとどまらず、他の建設機械への自律化技術の応用も進める計画だ。
清水建設は、「自律施工の普及は、省人化や生産性向上だけでなく、作業者の負担軽減や労働環境の改善にも寄与する」とし、無人化施工の社会実装に向けた取り組みを本格化させていく方針を示している。
<共同開発企業の概要>
■ボッシュエンジニアリング株式会社
本社所在地:神奈川県横浜市都筑区中川中央1-9-32
資本金:1億円(ボッシュ株式会社100%出資)
設立:2006年11月
代表者:プラックマン ジョン
事業内容:自動車部品のアプリケーション開発、モータースポーツ製品の販売など
■山﨑建設株式会社
本社所在地:東京都中央区日本橋小網町18-8
資本金:53億円
設立:1948年4月
代表者:衛藤 雄二
事業内容:土木工事業
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