日本の自動車業界、5年ぶりにロボット導入台数が最多に

・国際ロボット連盟(IFR)速報、2024年の導入は前年比11%増の約1万3000台

 フランクフルト=2025年7月15日、国際ロボット連盟(IFR:International Federation of Robotics )が発表した速報値によると、日本の自動車業界における産業用ロボットの導入台数が2024年に約1万3,000台となり、前年比11%増と大幅に伸長した。これは2020年以来5年ぶりの高水準となる。

 「日本は世界最大のロボット生産国であり、世界全体の38%を占めています」とIFR会長の伊藤孝幸氏は語る。「工場の自動化においても、日本の自動車業界は2023年時点で、従業員1万人当たり1,531台のロボット密度を記録し、世界第4位に位置しています。これは米国やドイツを上回り、スロベニア、韓国、スイスに次ぐ水準です」。

 現在、日本の自動車メーカー各社は電動化に対応するための構造改革を進めており、電池式電気自動車(BEV)や燃料電池車(FCEV)のラインアップ拡充に加え、水素エンジン車の開発にも取り組んでいる。こうした多様なパワートレインへの対応には、生産現場の技術革新が不可欠であり、ロボット導入はその中心的役割を担う。自動車業界は、日本国内で年間に導入される産業用ロボットの約25%を占めており、エレクトロニクス業界に次ぐ規模となっている。なお、エレクトロニクス業界の2024年の導入台数は約1万4,000台で、前年から5%減少した。

 伊藤氏は「ロボットの活用は日本の産業現場にとどまらず、日常生活の中にも広がりつつあります」と述べ、ロボットと共生する未来社会の姿を紹介するイベント「未来創造ロボットウィーク」にも言及した。

■「未来創造ロボットウィーク」、大阪・関西万博で開催中

2025年7月13日〜19日、最先端ロボット技術を体験可能

 大阪・関西万博(EXPO 2025)の会期中、2025年7月13日から19日まで開催される「未来創造ロボットウィーク」では、日本の代表的なロボットメーカーが出展し、以下の3つのゾーンに分かれて最先端技術を紹介している。
• ゾーン1:ロボットと共に働く「未来の職場」
• ゾーン2:未来の職場に必要な「新たなスキル」
• ゾーン3:ロボットと人間が共生する「未来社会」

 来場者は、産業用ロボットの進化だけでなく、介護・生活支援・教育など様々な分野への展開を体感できる。イベント詳細は公式ウェブサイト(https://fcrweek.com/)にて公開されている。

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