三井E&S、横浜港で水素燃料RTGの実証開始、港湾のゼロエミッション化へ一歩

 三井E&Sは7月15日、横浜港・南本牧ふ頭コンテナターミナルにおいて、水素燃料電池を動力源とする荷役機械「RTG(タイヤ式トランスファークレーン)」の現地稼働実証を開始したと発表した。今回の実証は、港湾荷役などを手がける宇徳が実施するもので、同社が導入したRTGに対して三井E&Sが水素燃料電池パワーパックへの換装を技術支援した。

 従来、RTGはディーゼルエンジン発電機を動力源としていたが、今回のモデルは水素を唯一の燃料とする「ゼロエミッション荷役機械」として稼働する。これにより、港湾でのCO₂排出を大幅に削減し、カーボンニュートラル化への貢献が期待される。

 今回のRTGは、将来的なゼロエミッション化を見据えて設計された「ニアゼロエミッション型」で、大容量のリチウムイオン電池と小型ディーゼルエンジンを備えていたモデルをベースにしている。水素インフラが整備されれば、スムーズに水素燃料電池へと換装できる仕様となっていた。

 三井E&Sはこれまでにも、水素燃料を活用した港湾向け荷役機械の研究開発を進めており、今回のプロジェクトはその技術の実装を示すものとなる。同社は今後も水素駆動の製品・サービス開発を通じて、港湾の環境負荷低減と持続可能な社会の実現に貢献するとしている。

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