プライメタルズ、ブラジルに最先端サービス工場を新設

・製鉄設備向けメンテナンスを強化、デジタル技術で高精度・高効率化も実現

 ロンドン=2025年7月15日、三菱重工グループ傘下のプライメタルズ テクノロジーズ(本社:英国ロンドン)は、ブラジル・リオデジャネイロ州サンタクルスに、最先端のサービス工場を新設し、竣工式を実施した。連続鋳造機や圧延設備、プロセスラインなど、製鉄所向けの重要機器に対応する包括的なメンテナンスサービスを提供し、同国の鉄鋼産業の成長を後押しする。

 同工場の敷地面積は7,968平方メートル。複数の大手製鉄所の近隣に位置する戦略的立地を活かし、高度な補修・再生技術や、デジタルアセット追跡システムを駆使した品質管理体制を整備。式典当日は、顧客企業や業界関係者向けに技術セミナーや施設見学も行われた。

 プライメタルズ テクノロジーズのメタラジーおよびアフターサービス部門責任者、エバーハルト・カルニッチ=アインベルガー氏は「本工場は、当社が掲げる“Next Level Services Now”の象徴とも言える存在であり、ブラジル市場へのさらなる貢献を目指す」と語った。

■鋼板圧延設備の高度メンテナンスに対応
 新工場では、熱間・冷間圧延機や亜鉛めっきラインに使用されるロールのメンテナンスに対応。レーザークラッディングやHVOF/HVAFといった高性能コーティング技術により、耐摩耗性や耐久性を高めた再生処理を提供する。メカトロニクスおよび油圧試験センターも併設されており、改修後の性能確認まで一貫対応が可能だ。

 このほか、鉱業、石油・ガス、風力発電、製紙業など、鉄鋼業以外の分野に向けた部品修理サービスにも対応する。

■デジタル基盤でトレーサビリティと品質管理を強化
 同工場の最大の特徴は、プライメタルズ独自のデジタル基盤「MAT(メンテナンス&アセット・テクノロジー)」を活用した高度なアセット管理と品質保証。すべての作業工程がリアルタイムでトラッキング・記録され、ユーザーに対して信頼性の高い運用データが提供される。

 プライメタルズ テクノロジーズ ブラジルCEOのガブリエル・レンナ氏は「設計段階からデジタル化を前提とした本施設では、迅速かつ安全で、的確な意思決定を支援するサービスが実現されている」と述べ、「設備の寿命延長、リスク低減、持続可能な成果に貢献できる」と自信を見せた。

■初の受注も獲得、今後は非鉄分野への展開も視野
 交通アクセスにも優れた立地を活かし、すでに初の改修契約を獲得。今後は製鉄分野にとどまらず、非鉄金属やエネルギー分野など、他産業向けサービスの展開も視野に入れている。

■プライメタルズ テクノロジーズについて
 プライメタルズ テクノロジーズは、鉄鋼・金属分野におけるプラントエンジニアリング、製造装置、ライフサイクルサービスをグローバルに展開するリーディングカンパニー。電機・自動化・デジタル技術・環境ソリューションを一体化した包括的な提案力を持ち、原材料から製品までをカバーする技術力を誇る。三菱重工業の完全子会社として、世界で約7,000人の従業員を擁する。
詳しくは: https://primetals.com/jp

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