不二越、25年11月期中間売上は2.4%減の1,159億円、通期予想2,430億円(1.3%増)は変更せず

 不二越が7月15日に発表した2025年11月期第2四半期(2024年12月〜25年5月、中間決算)連結業績によると、売上高は、中国の産業機械分野の需要が一部で回復したものの、国内および欧州の建設機械分野での需要低迷やアセアンの市販分野の在庫調整の影響を受け、1,158億87百万円(前年同期比2.4%減)、このうち、国内売上高は572億25百万円(同1.9%減)、海外売上高は586億61百万円(同2.9%減)となった。

 利益面については、油圧機器、ベアリングなどで操業度が悪化したが、構造改革による固定費の削減、原材料価格上昇分の販売価格への転嫁、生産ラインの自動化・合理化、調達コストダウンにとり組んだ結果、営業利益は42億13百万円(同79.8%増)、経常利益は29億57百万円(103.7%増)となった。また、資本効率の向上をはかるために政策保有株式の縮減を推し進め、投資有価証券売却益として9億57百万円を特別利益に計上、一方で余剰設備や人員の適正化を推し進め、構造改革費用として9億82百万円を特別損失に計上し、親会社株主に帰属する中間純利益は18億75百万円(同140.7%増)となった。

 中間期おける同社グループをとり巻く環境は、堅調に推移してきた米国経済に不確実性が見られるものの、自動車分野を含め経済活動の緩やかな回復が進み、先進国を中心に経済の持ち直しが見られた。一方で、ウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化、為替動向など、先行き不透明な状況が継続していることに加え、中国・欧州経済の低迷長期化、米国保護主義政策に伴う各国への影響など、一部で事業環境の厳しさが増している。このような状況のもと、同社グループは、中長期的な脱炭素・EV化をはじめとする産業構造の大変革を見据え、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、ユーザーのものづくりに寄与する新商品の開発や技術提案などにより、受注・売上の拡大にとり組んだ。また、利益の改善に向けて、設備や人員の適正化、標準ベアリングの集約生産、さらには全部門を対象とした合理化、内製拡大など、事業全般の構造改革をより一層推進した。

■セグメントの業績

 機械工具事業では、中国の産業機械分野でロボットの需要が減少したが、国内において自動車分野を中心に工作機械の需要が増加し、売上高は370億64百万円(前年同期比1.7%増)となった。営業利益は工作機械において操業度が改善したことに加え、労務費などの固定費の削減により、16億48百万円(59.9%増)となった。

 部品事業では、一部自動車メーカーの生産回復によりカーハイドロリクスの需要が増加したが、国内および欧州の建設機械メーカーの生産調整により油圧機器の需要が減少し、また、アセアンの市販代理店での在庫調整によりベアリング需要が減少した結果、売上高は714億83百万円(同3.9%減)となった。一方、営業利益は構造改革による人員や設備の適正化で固定費を削減し、21億92百万円(同183.4%増)となった。

 その他の事業では、国内を中心に特殊鋼の需要が減少し、売上高は73億38百万円(同7.3%減)となり、営業利益は操業度の悪化などにより、3億44百万円(同31.8%減)となった。

■ 今後の見通し

 2025年11月期通期の連結業績予想については、2025年1月14日発表の予想数値(下記)を据え置いている。

 2025年11月期の連結業績予想は、売上高2,430億円(前期比1.3%増)、営業利益 86億円(同29.6%増)、経常利益66億円(同55.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益40億円(同19.3%増) を見込んでいる。

 不二越の2025年11月期第2四半期決算短信

 決算補足資料

 決算概要