・潤滑性と環境性能を両立、CO₂排出量70%以上削減へ
日本トムソン(東京都港区)は7月9日、ニッペコ(東京都中央区)製の高性能バイオマスグリース「BIOLUB® GS-SP」を封入した直動案内機器の販売を開始したと発表した。個別受注対応で展開し、環境負荷低減と潤滑耐久性の両立を図る製品として、幅広い用途への拡大を目指す。
同社はこれまで、メンテナンスフリーの「Cルーブ」シリーズなど、エコ対応製品の開発に注力してきた。従来のバイオマスグリースは潤滑性能が既存品に劣るとされ、直動案内機器への本格採用は難しかった。しかし、BIOLUB® GS-SPは、植物由来原料を使用し、バイオマス度90%を達成。合成炭化水素油を基油とするリチウム石けん基グリースと比較して、製品のライフサイクル中のCO₂排出量を70%以上削減できる点が高く評価された。
さらに、極圧固体添加剤を配合したことで高荷重にも対応。社内評価では、既存グリースと同等の2万km以上の走行を実現し、他のバイオマスグリースの2倍超の耐久性を確認。転がり案内の接触面圧にも十分耐える性能を備える。
同社はこの新製品を「環境と性能を両立する画期的な直動案内機器」と位置づけ、CO₂削減によるカーボンニュートラルへの貢献を訴求。今後は幅広い産業分野への提案活動を進める方針だ。
※「BIOLUB」は株式会社ニッペコの登録商標。
※バイオマス度とは、製品の乾燥重量に対して含有するバイオマス由来成分の割合を示す指標で、一般社団法人日本有機資源協会により認定された。
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