三一集団、スマート製造の次世代構想を発表

・商用車分野で1.0成果を披露、2.0の実装に向けた枠組みを推進

 三一(SANY):2025年7月7日

 中国大手建機メーカー・三一集団は、商用車事業部門などの中核チームによる「仮実融合(フィジカル×バーチャル融合)」の手法で、スマート製造1.0の成果を多角的に披露した。会場には関係各部門の幹部や製造分野の専門家が参加し、「モデル駆動」や「デジタルツイン保障」などをテーマに分科会形式で議論が行われ、スマート製造2.0に向けた実装フレームが初期的に描かれた。

 三一集団董事長の唐修国氏は、今後の製造業は「オンラインの大規模モデル、オフラインのロボット、デジタルツインによるメタバース、協調するブロックチェーン」という新たな構図へ進化すると指摘。その上で、「三一は民族企業としての責任を果たし、グローバル製造業をリードする視点でスマート製造の全体戦略を構築すべき」と強調した。

 さらに唐氏は、スマート製造2.0から4.0への進化においては、まず「QCD(品質・コスト・納期)」の経営改善に照準を合わせ、顧客に高く評価される製品品質の実現を最優先とすべきだとした。また、スマート製造を社会向けの「産業用大規模AIモデル(Industrial Foundation Model)」へと発展させ、業界・エコシステム全体に貢献するソリューションを構築することの重要性を説いた。

 今年に入り、三一集団は西安(重装)、昆山(重機)、長沙(ポンプ・道路機械、商用車)の各拠点で4回のスマート製造技術交流会を開催。各事業部が工法技術、IE(インダストリアル・エンジニアリング)、組織運営、3・4段階の6S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾・安全)などの観点から、「強みの共有・弱点の補強・トレンドの探索・改善の促進」を目的に交流を進めた。全10事業部からは累計223人の幹部・専門家が参加。これまでに156項目の再現可能な成功事例が共有され、37項目がすでに実装された。これにより、QCD面で累計600万元(約1億3,000万円)超の成果が得られたという。

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