・日本企業がヨーロッパサッカー界に本格参入へ
YANMAR:2025年7月7日
日本の大手農機・建機メーカーであるヤンマーが、オランダのプロサッカークラブ「アルメレ・シティFC(Almere City FC)」の全株式とスタジアムを買収することで合意したと発表した。この買収により、ヤンマーは日本企業として本格的にヨーロッパサッカー界に参入することになる。
■長年のパートナーシップを発展
ヤンマーは1989年からオランダのアルメレ市に拠点を置き、過去10年間同クラブのスタジアムスポンサーを務めてきた。アルメレ・シティFCのジョン・ベス最高経営責任者(CEO)は「ヤンマーは2015年からスタジアムの命名権を持ち、最も忠実で献身的なビジネスパートナーの一社です。これは私たちの協力関係における自然な次のステップのように感じられます」と述べた。
今回の買収について、ヤンマーヨーロッパ(EMEA本部、アルメレ所在)のサミル・ラオウキリCEOは「ヤンマーは1989年からアルメレに拠点を置き、この街、地域、そして人々と長く深い結びつきを持ってきました。この取り組みにより、その絆をさらに深め、クラブの持続可能なスポーツと社会的発展に貢献できます」と語った。
■日本での豊富な経験を活用
ヤンマーは1957年からJリーグのセレッソ大阪を所有しており、日本のプロサッカー界で68年間の豊富な経験を持つ。セレッソ大阪は日本最高峰のJ1リーグに所属し、香川真司(元ボルシア・ドルトムント、マンチェスター・ユナイテッド)や南野拓実(元リバプールFC)などの著名選手を輩出してきた。
今回の買収により、ヤンマーはオランダで最も若いプロサッカークラブの所有者となる予定。同社は「フットボールは私たちのエンジンです」をモットーに掲げており、サッカーへの情熱を事業の原動力としている。
■組織の継続性を重視
買収後もクラブの継続性が確保される点が強調されている。現在の経営陣と独立監査役会メンバーは留任し、スタッフへの影響もない予定。また、これまでメインスポンサーを務めてきたクルーネンベルグ・グループも引き続きスポンサーとして残る。クルーネンベルグ・グループのレスリー・バンベルガーCEOは「ヤンマーは数十年にわたり日本でプロクラブを所有してきた実績のある日本の家族経営企業です。新しいオーナーとしてアルメレ・シティをさらに発展させてくれると確信しています」とコメントした。
■オランダでの長期的コミットメント
ヤンマーは1989年からアルメレにEMEA本部と生産施設を置き、約300人を雇用している。同社は地域貢献活動や雇用創出を通じて、アルメレ市とフレヴォラント州の発展に積極的に貢献してきた。
1912年に設立されたヤンマーは、ディーゼルエンジン、農業機械、建設機械、エネルギー・バッテリーシステムを製造するグローバル企業で、世界で24,000人以上の従業員を抱え、年間売上高は90億ユーロに達する。現在の社長は3代目の山岡健人氏が務めている。
■今後の手続きと展望
買収は、オランダサッカー協会(KNVB)のプロサッカーライセンス委員会の承認が条件となっている。同委員会は、買収がオランダプロサッカー内の適用されるライセンス要件に適合しているかを評価する。クラブ側は委員会の好意的な結果に自信を示している。
アルメレ・シティFCは2005年からプロサッカーに参戦し、2023/24シーズンと2024/25シーズンはオランダ最高峰のエールディビジに所属していた。来シーズンは2部リーグのケルケン・カンピオン・ディビジでプレーする予定。
この買収により、日本企業によるヨーロッパサッカークラブの本格的な経営が始まることになり、国際的なサッカー界での日本の存在感がさらに高まることが期待される。
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