米ムーグ、光通信技術のCOTSWORKSを買収、防衛・宇宙領域の製品群を強化

 Moog Inc.(ムーグ社):2025年7月7日

 米精密制御機器メーカーのムーグは、2025年7月、航空宇宙・防衛向けの光ファイバー通信部品を手がけるCOTSWORKS(コッツワークス社)を買収したと発表した。買収総額は6,300万ドル(約92億円、146円換算)で、現金とムーグのクラスA普通株式を組み合わせて支払われた。買収後もCOTSWORKSはオハイオ州での事業を継続する。

 COTSWORKSは、米国内外の航空宇宙・防衛分野において、過酷な環境下でも使用可能な堅牢な光ファイバー・トランシーバーやアセンブリ(組立モジュール)を設計・製造している。同社の製品は、高帯域・高密度のデジタル信号伝送を可能にし、宇宙・航空・陸上・海上といった各領域での次世代デジタル化を支えている。

 今回の買収により、ムーグは既存の宇宙・防衛分野の電子部品ポートフォリオを拡充。今後はCOTSWORKSの光通信技術を統合し、センサーや電子機器、データネットワーク管理システムといった分野において、より高度に統合されたソリューションの開発を目指す。

 ムーグの宇宙・防衛部門プレジデントであるジョー・アルフィエリ氏は「今回の買収で、当社は先進的で即応性の高い電子システムの提供能力を一層高め、通信コンポーネントの革新を加速させる」と述べた。

 COTSWORKSの創業者兼CEOであるケン・アップルバウム氏は「ムーグの専門技術と業界でのプレゼンスにより、当社の光電子部品やインターコネクト製品などがさらに成長する基盤が整う」と期待を示している。

 2006年創業のCOTSWORKSは、従業員数が120人超。航空宇宙・防衛業界に向けて、高性能・高信頼性の光通信ソリューションを提供してきた。今回の買収は、ムーグが掲げる次世代通信・防衛・宇宙技術への戦略的投資の一環であり、顧客との共創を通じた製品革新を進める足がかりとなる。

 なお、この買収によるムーグの2025年通期業績への影響は軽微としている。

 ムーグは、航空機・宇宙機器・防衛システム・医療機器などに向けた高精度モーション制御・流体制御システムの大手サプライヤー。本社はニューヨーク州イーストオーロラ。

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