米ボブキャット、建機盗難対策を強化、テレマティクス活用促す

・「全米車両盗難防止月間」に合わせ啓発活動、遠隔エンジン停止などで被害抑止

 Bobcat Company (ボブキャット ):2025年7月10日

 米建機大手のボブキャット(Bobcat Company)は、「全米車両盗難防止月間(National Vehicle Theft Prevention Month)」に合わせて、建設機械の盗難防止策に関する啓発活動を展開している。米国では建機の盗難被害が深刻化しており、2024年には最大で年間10億ドル(約1,460億円、146円換算)に達するとの調査報告もある。こうした背景を受け、同社は独自のテレマティクス「Machine IQ」を活用した防犯対策の有効性を訴えている。

 建機の盗難被害は、レンタル業界だけでも年間1億ドルを超える規模に上るとされ、業界全体の大きなコスト負担となっている。ボブキャットのデジタル製品管理ディレクターであるギャレット・マウアー氏は、「現場での盗難リスクが増しているが、オペレーターや施工会社は有効な対策を講じることができる」と述べ、テレマティクスによる位置情報の把握や稼働制限機能の活用を呼び掛けた。

 同社の「Machine IQ」は、建機の現在地や稼働履歴の追跡に加え、ジオフェンシング(指定区域外での稼働制限)や夜間の稼働制限(カーフュー)といった機能を備える。また、遠隔からエンジンの停止・再稼働が可能な「Remote Engine Disable/Enable」機能も提供しており、不正利用の兆候があった際に迅速な対応が可能だ。

 万が一の盗難時には、GPSで機械の位置を確認し、エンジン停止機能でさらなる被害を防止。加えて、警察への通報や販売店・保険会社との連携により、早期解決と損失の最小化を図る。

 同社は、「位置情報の把握や遠隔制御といった最新技術を活用することで、資産保護と盗難リスクの低減につながる」として、ユーザーに積極的な導入を促している。

 ボブキャットは1958年にコンパクト機械の分野を切り開いた建機メーカー。北米本社をノースダコタ州ウエストファーゴに構え、世界各地でローダー、掘削機、ユーティリティビークル、草刈機、発電機、フォークリフトなど多彩な製品を展開している。親会社は韓国・斗山(Doosan)グループ傘下の斗山ボブキャット社

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