横浜市立みなと赤十字病院、屋内配送ロボット「FORRO」を本格導入、川崎重工と連携し医療現場の効率化へ

 横浜市立みなと赤十字病院(横浜市)は2025年7月22日より、川崎重工業が開発した屋内配送用サービスロボット「FORRO(フォーロ)」の運用を開始する。赤十字病院としては全国91施設の中で初めての導入事例であり、医療従事者の業務負担軽減や院内物流の効率化を目指す。

 同病院は開院20周年を迎えたことを機に、ブランドスローガン「もしもを守る。いつもへつなぐ。」を掲げ、医療現場の質と効率の向上に向けた取り組みを強化している。その一環として2024年度に院内ワーキンググループを設置し、老朽化した院内搬送設備に代わる新たなソリューションを検討。今回のロボット導入は、その成果として位置づけられる。

 「FORRO」はエレベータやセキュリティドアと連携し、病院内での垂直・水平移動が可能。これにより、医療スタッフが手作業で行っていた医薬品や検体などの搬送業務をロボットが代替する。特に夜間や休日にも稼働できるため、働き方改革や業務の分散化にもつながると期待される。

 運用開始時には2台体制で、24時間稼働。病棟や手術室と検査室、薬剤部と病棟、救急外来と病棟などを結ぶ全7フロア(最大移動距離100メートル、最大階移動1階〜8階)での搬送に対応する。対象となる物品は医薬品、検体、採血管など。

■「FORRO」の主な特徴

 川崎重工が「ヒトは、ヒトにしかできないことを。」のコンセプトで開発した「FORRO」は、医療現場での使用を前提に設計されたサービスロボット。大容量のセキュリティロック付き荷室(約95リットル)を備え、用途に応じた棚のカスタマイズや温度感知機能を搭載している。複数病棟の巡回走行にも対応し、定時運行とカスタマイズ運行の両方が可能。

 また、病院特有の混雑した環境でも広範囲のセンシング技術により安全な走行を実現。45分間の充電で最大6時間の稼働が可能で、タスクの合間に自動充電を行いながら業務を継続する。時間帯や混雑状況に応じて速度調整しながら効率的に目的地へと搬送する機能も備える。

 今後、横浜市立みなと赤十字病院と川崎重工は「FORRO」の活用範囲の拡大を視野に、さらなる業務効率化と医療従事者の負担軽減を進める方針だ。

【関連リンク】

 川崎重工業「FORRO」公式HP:https://forro-service.com/

 紹介ムービー:https://www.youtube.com/watch?v=ziMds-eM4rU

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