兼松、ニッセイと「球状歯車機構」のサブライセンス契約を締結

・金属製製品の量産化へ前進

 兼松は7月9日、ニッセイ(愛知県安城市)と「球状歯車機構」に関するサブライセンス契約(再実施権契約)を2025年6月に締結したと発表した。これにより、同機構は本格的なマーケティングフェーズに入り、量産化に向けた開発が加速する。

 球状歯車機構は、上下・左右・前後の3軸(X・Y・Z)それぞれに無制限の回転が可能な、3自由度の革新的な歯車機構。ロボットの関節やマニピュレーターなどへの応用が期待されており、介護・医療・外食・宇宙分野など、幅広い産業領域での生産性向上と効率化に貢献する技術として注目されている。

 この技術は、国立大学法人山形大学 工学部機械システム工学科の多田隈研究室が発明し、現在も研究開発が進められている。兼松は2022年より山形大学と共同研究を開始し、過酷な使用条件下でも安定して稼働する産業用途向け製品の開発に取り組んできた。

 今回の契約により、兼松が山形大学から取得した球状歯車機構に関する通常実施権をもとに、ニッセイへサブライセンスを付与。ニッセイの持つ歯車製造のノウハウと量産加工技術を活用し、樹脂製よりも耐久性に優れた金属製球状歯車機構の早期市場投入を目指す。

 兼松は、中期経営計画「integration 1.0」において「イノベーションの探索と実装による提供価値の拡充」を重要施策に掲げており、球状歯車機構の実用化と各産業分野への展開を通じて、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に貢献するとしている。

<株式会社ニッセイ 会社概要>
• 商号:株式会社ニッセイ(NISSEI CORPORATION)
• 設立:1942年3月12日
• 代表者:代表取締役社長 野﨑 剛寿
• 所在地:愛知県安城市和泉町井ノ上1番地1
• 事業内容:各種減速機・小型歯車の製造販売、不動産賃貸
• ウェブサイト:https://www.nissei-gtr.co.jp

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