伝統と革新の融合ーイタリア名門ワイナリー「フォンタナフレッダ」、ユングハインリッヒと連携し物流倉庫を全自動化へ

・2026年6月の本格稼働を予定、地下高層ラック倉庫を中心に最新のAGVと搬送技術を導入

 Jungheinrich(ユングハインリッヒ):2025年7月8日

 ドイツの物流機器大手ユングハインリッヒは7月8日、イタリアの名門ワイナリー「フォンタナフレッダ(Fontanafredda)」の完成品倉庫を、ピエモンテ州ランゲ地方で全自動化すると発表した。地下に設けた高層ラック倉庫に最新のAGV(自動運転フォークリフト)とコンベヤーシステムを組み合わせ、ワインの瓶詰め工程から出荷までの搬送を完全自動化する。稼働開始は2026年6月を予定している。

 プロジェクトの中心となるのは、地下5メートルに設置される10通路構成の高層ラック倉庫で、ユーロパレットおよび工業用パレット対応のラックを計3,840パレット分配置する。これに対応するのが、狭通路対応の自動フォークリフト「EKX 516a」2台と、高所搬送に対応する「EKS 215a」2台。コンベヤーと連携し、瓶詰めラインから出荷エリアまでをシームレスに搬送する。

 フォンタナフレッダは、老朽化した既存の自動倉庫システム(AutoVNA)からの刷新が急務となっており、今回の導入により、ナビゲーション精度、安全性、スループット性能の向上を図る。システムには倉庫制御システム(WCS)やワイナリーの基幹システムと連動する物流インターフェースも組み込まれる。

 「私たちにとって、信頼できるパートナーとともに、未来を見据えたソリューションをワンストップで構築できることが重要だった」と、フォンタナフレッダ社CEOのアンドレア・ファリネッティ氏は語る。ユングハインリッヒは、ラック設備や搬送機器、AGV、ソフトウェアを含むシステム統合の全体を一貫して提供する点が評価されたという。

 ユングハインリッヒの製品スペシャリスト販売責任者ステファノ・ロッカ氏は、「伝統ある世界的ワイナリーが我々の自動化ソリューションを選んだことは、現代の製造物流のニーズに当社の技術が的確に応えている証し」と述べている。

 また、エネルギー供給にはバスバー方式を採用し、夜間の中間充電により稼働効率を最大化。狭い空間かつ地下構造という制約の中で、柔軟かつ高効率な運用が可能となる設計となっている。

 伝統と革新が融合する今回の取り組みは、ワイン業界における先進的物流改革の象徴として注目されそうだ。

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