ソディック、ワイヤ放電加工機向け「通電コマ自動送り機能(ACPS)」を発売

・長時間の無人運転を実現し、稼働率を向上

 ソディックは7月8日、ワイヤ放電加工機のメンテナンス作業を自動化する新機能「ACPS(Automatic Conductive Piece Shifter)」の販売を開始した。これは、加工時に放電電源からワイヤ電極線へ電力を供給する「通電コマ」の位置を自動で更新する機能で、約50時間ごとに必要だったオペレーターの手作業を不要にする。

 同社のリニアモータ駆動ワイヤ放電加工機「ALシリーズ」に対応したオプションとして提供され、加工現場の省力化や長時間の無人運転を可能にすることで、生産性と稼働率の向上に大きく貢献する。

■大型ワークにも対応、加工トラブルの回避にも寄与

 ACPSの導入により、通電コマのメンテナンススペースを確保する必要がなくなり、大型ワークや治具の設置が容易になる。また、通電コマの寿命を超えた使用によるワイヤ断線や加工精度の劣化といったトラブルも防げるため、安定した加工品質を維持できる。

■機能の特長:

① 自動送り機構に格納式ピンユニットを採用
 加工タンク内の格納式ピンユニットが通電コマを押して位置を自動更新。非使用時はピンが格納される構造で、ストローク制限を回避。特許も取得済み。

② ワイヤ径や条件に応じた柔軟な設定が可能
 加工時間、送り距離、実行タイミングを任意に設定でき、従来の1mm間隔に加え0.5mm単位での精密な送りにも対応。通電コマの使用効率を最大化する。

③ 操作性に優れた専用画面を搭載
 使用中の通電コマ位置や残り寿命、次回動作タイミングなどを直感的に確認できる専用画面を装備。カスタム設定や手動移動も簡単に行える。

 ソディックは今後も、加工現場の自動化と効率化を進める製品の開発を通じて、ユーザーの課題解決に貢献していくとしている。

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