CASE、ミニショベル新モデル4機種を投入─狭隘現場向けに多様性と効率を強化

 2025年6月24日、米ウィスコンシン州ラシーン発、CNHインダストリアル傘下のCASE Construction Equipment(ケース建設機械)は、Dシリーズの新型ミニショベル4機種を発表した。ディーゼルエンジン搭載機3モデルと電動モデル1機を揃え、狭隘な作業現場での施工性・輸送性・省コスト性に優れたバリエーションを拡充。ラインアップの拡大を通じて、建設業界の多様なニーズに応える。

 新たに加わったのは、超小型の「CX12D」(11.8馬力)、高性能な「CX19D」(18.4馬力)、完全電動の「CX25EV」(32.3kWh)、そして重量級の「CX60D」(59.4馬力)の4モデル。いずれも移動・操作・整備が容易で、標準装備の油圧補助回路やオプションのクイックカプラーによってアタッチメント交換も簡便。トレンチ掘削、土砂移動、トラック積込、整地、基礎工事、伐採など、多様な用途に柔軟に対応できる。

 CASEの建設ブランド北米統括責任者テリー・ドーラン氏は、「人手不足や厳しい作業環境、現場の要求水準の高まりといった課題に直面するなか、現実的かつ効率的なミニショベルの進化が必要だ」と述べ、今回の新機種が「輸送・操作・保守・所有すべての面で負担を軽減しながら高出力を実現した」と強調している。

■CX12D・CX19D:小型機にシンプルさとコスト効率を凝縮
 最小モデルの「CX12D」は、運転重量1,330kg。ゲートの通過や狭所での取り回しに優れ、工具互換性を維持しつつも軽量・コンパクトで扱いやすい。取得・運用コストを抑えながらも高い燃費効率を誇り、都市部や庭園施工といった小規模現場に最適だ。

 やや大型の「CX19D」(1,880kg)は、キャノピー仕様または暖房付きキャビンを選択可能で、人間工学に基づく設計と油圧制御により快適な操作性を確保。ハンマー、オーガー、コンパクター、チルトローテーターなどの専用アタッチメントにも対応し、作業の幅を広げる。

■CX25EV:低騒音・無排出の次世代電動モデル
 「CX25EV」は、32.3kWhのバッテリーを搭載したフル電動ミニショベル。重量は2,340kgで、従来のディーゼル機と同等の出力を持ちながらも、排出ゼロ・静音性に優れ、都市部や夜間作業、環境規制の厳しい現場に理想的だ。油圧流量設定や3系統の補助油圧回路を備え、オペレーターが速度や操作感を細かく調整できる電気油圧制御も特徴。短旋回設計により、狭い現場でも高い機動力を発揮する。

■CX60D:6トンクラスの重機性能と快適性を両立
 最大級となる「CX60D」(5,970kg)は、長尺アームやサム(親指)付きのブレードなど重機ならではの機能を備え、整地や伐採作業においても精密かつパワフルな施工を実現。自動空調、エアサスペンションシート、LED作業灯、LCDモニターなどを備えたキャビンは、乗用車のような快適性と操作性を提供する。

 CASEは既存の「CX42D」「CX50D」とあわせ、1トン級から6トンクラスまでの幅広いラインアップを揃え、顧客の選択肢を拡充。より競争力のある価格で、高性能かつ多用途なソリューションを提供する。

 ドーラン氏は、「チームの生産性向上と顧客のビジネス成長が我々の原動力だ」と述べ、「新たなミニショベル群で、最新技術と優れた操作性を現場にもたらす」と意気込みを語った。

 製品詳細・販売情報:
CASEミニショベル公式サイト(英語)

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