メッツォ、選鉱用ミルライナーの再生技術強化に向けてリサイクル事業を買収

 Metso(メッツォ):2025年7月4日

 フィンランドの産業機械大手メッツォ(Metso)は、選鉱機器用ライナーの再生サービスを強化するため、フィンランド・オウルに拠点を置くTLソリューション(TL Solution)のリサイクル事業および高周波誘導加熱技術の開発部門を買収する契約を締結した。買収は2025年8月の完了を見込んでおり、取引額は非公表。業績への影響は軽微としている。

 TLソリューションはこれまで、メッツォと協業しながら再生技術の開発を手がけてきた。メッツォは2022年、業界初となる誘導加熱技術を活用した「Poly-Met™」ミルライナーのリサイクルサービスを開始しており、今回の買収により、同技術の内製化と持続可能なサービス体制の構築を一層加速させる狙いだ。

 メッツォの選鉱機器ライナービジネス部門 シニアバイスプレジデントのマルティン・カールソン氏は「当社は10年以上前からミルライナーのリサイクル技術に取り組んできた。今回の買収により、誘導加熱を活用した分離技術を自社で保有し、開発と提供の一貫体制を確立できる。これにより、お客様に対する高品質かつ柔軟なサービス提供が可能になる」とコメントしている。

 このリサイクルサービスは、欧州および北欧地域の鉱業顧客を対象にすでに提供されており、南米チリでも展開中。今後は北米への拡大も視野に入れている。

 ミルライナーの再生サービスは、使用済みライナーの埋め立て処分を回避し、CO2排出削減に寄与するなど、鉱業界が直面する持続可能性の課題に対応するもの。ゴムと金属の複合材で構成される「メガライナー(Megaliner™)」「ポリメットライナー(Poly-Met™)」やゴム製ライナーの各構成部材(鋳物インサート、摩耗プレート、バックプレートなど)を安全かつ効率的に分離する革新的な技術を用いている。

 さらに、金属製ミルライナーの再資源化プロセスも確立しており、既存製品の金属部品を回収・再加工して新製品に活用することで、鉱業分野におけるサーキュラーエコノミーの推進にも貢献している。

■Metso(メッツォ)について
 メッツォは、骨材・鉱物処理・金属精錬分野における持続可能な技術とサービスのグローバルリーダーであり、顧客のエネルギー・水使用効率の改善や生産性向上、環境リスク低減を支援している。2024年末時点で、世界約50カ国に1万7,000人の従業員を擁し、年間売上は約49億ユーロ。本社はフィンランド・エスポーにあり、ナスダック・ヘルシンキに上場している。

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