Jungheinrich(ユングハインリッヒ):2025年7月3日
ドイツのマテリアルハンドリング大手ユングハインリッヒは、伊アルファ・ラバル(Alfa Laval S.p.A.)のサン・ボニファーチョ(ヴェローナ県)拠点において、自動化された新たな高層ラック倉庫の構築プロジェクトを受注した。スウェーデンに本社を置く熱交換器メーカー、アルファ・ラバルABのグループ企業である同社は、本プロジェクトにより原材料および完成品の保管効率を大幅に高める計画だ。倉庫は約5,000パレット分の保管能力を備え、稼働開始は2026年4月を予定している。
ユングハインリッヒは、本案件の総合請負業者(ゼネラル・コントラクター)として、耐震設計のラックから搬送コンベヤー、倉庫管理システム(WMS)および倉庫制御システム(WCS)を含むITインフラまで、すべての構成要素をワンストップで提供する。
アルファ・ラバルS.p.A.のファクトリーマネージャー、レオナルド・キエッキ氏は、「物流の効率化と安全性の確保が当社の重要課題です。今回のプロジェクトは、サン・ボニファーチョ拠点の価値とグループ内での存在感を高め、今後の成長を支えるものです」と語っている。
■省スペースで高効率、自動倉庫の中核は4通路構成
建設中の新ホール内に設けられる高層ラック倉庫は、長さ64メートル・高さ10.7メートルの通路を4本備えた狭小通路型(ナローアイル)で構成され、両側に設けたコンベヤーラインにより入出庫を行う。Euroパレットおよびハーフパレットの搬送には、自動運転のEKX 516aフォークリフト2台を導入。これらは集電式レールから給電され、24時間365日体制での稼働が可能。加えて、規格外荷姿にも対応する「スレーブパレット」用の自動結合機構を採用しており、安全かつ自動化された搬送が可能になる。
アルファ・ラバルS.p.A.の物流プロジェクトマネージャー、アンドレア・ファゾーリ氏は「ユングハインリッヒと共に構築したこのソリューションに非常に満足しています。今後の物流戦略において、柔軟性とパフォーマンス向上を重視しながら、自動化を中心に据える第一歩と位置づけています」とコメントしている。
■将来の拡張にも対応、AGV導入も視野に
本システムは、今後の拡張性も確保しており、自動搬送車(AGV)の追加導入も視野に入れた設計がなされている。また、北イタリアという地震多発地域に対応すべく、ラックは最新の耐震基準に準拠して設計された。
ユングハインリッヒの製品スペシャリスト販売マネジメント部門責任者、ステファノ・ロッカ氏は「アルファ・ラバルには、最大限のプロセス信頼性と将来の拡張性を両立した統合システムを提供しました。自動化ナローアイル倉庫とインテリジェントな搬送技術、そしてソフトウェアの緊密な統合により、真の意味での効率化が実現します」と語っている。
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